メール

2010/08/15 19:44


どうも、i●honeのコマーシャルを見て、あぁテレビ電話なら手話使えるのか!と世の中の進歩に感動した草鞋です。
今までもメールなら問題なかったんでしょうが、確かにもしかしたらテレビ電話の方が便利なのかもと目から鱗で新鮮でした。

というわけで、以下は主人公mixでメールな小話です。
前ページの衣装話はまったく関係ありません。





* * * * *










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from 舜様
件名 お祭り
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今度の日曜日、空いてるか?
もし空いてるなら一緒に行こう
元就の浴衣姿が見たい



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どうだと携帯を見せつける。得意げなその表情に、見せられた二人の方も本当だったのかと驚きを隠せない。

「…本当に舜ちゃんがメール使ってる」

「Oh…結構世俗的だったんだな」

「万能な方だからな!…ってそこではない!」

夏祭りに誘われたのだと誇らしげに携帯電話を掲げる元就。
キラキラ輝く目が可愛らしいことこの上ないが、今の恋人から同じく愛でられる側に振り分けられている二人にとってはなんの効果もないらしい。

「誘いならオレもきたぜ」

「そうなのか?」

「うそ、孟隻さん携帯持ってたの!?」

「まぁ…一応な」

海外を動いていれば当然な話だが、しかし佐助も元就も番号を知らないどころか、孟隻が携帯電話を持っているところすら見たことがない。
とは言え、持っていても政宗は居場所が掴めないと嘆くのだから、あまり意味はない物のようだが。

「孟隻さんてどんなメール書くの?」

見てみたいと佐助が言えば、確かにと元就が同意する。
その要求にいくらか渋るような態度を見せたものの、諦めたのかすぐに政宗は携帯を操作しはじめて。

「…これだ」







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from 孟隻
件名 
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八月X日、17:00
婆裟羅神社鳥居下で待ってろ
浴衣でな
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「…簡潔だな」

「孟隻さんらしいね…」

「…なんでオレはこんなヤツ恋人にしちまったんだ…!」

用件を一方的に送るだけの携帯は、本当に意味があるのかと政宗がうっかり握り潰しそうになったことは数知れない。

今もまさにケーキ用のフォークをひしゃげさせている政宗から、紅茶を勧めて佐助がそれを回収する。
まあまあと宥めつつ、指型に波打ったフォークを苦笑いで眺めていれば、微かな振動とともに携帯が光った。

「あ…俺様も来たみたい」







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from 大輔
件名 八月X日
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今週の日曜、もしまだ空いてたら一緒に婆裟羅神社の夏祭りに行かないか?
急で悪いな。

…というか、本当悪いんだが、実は舜達と一緒に行く事になったんだ。
何だか変な話になっちまってな。
それで、できたら浴衣で来てくれると嬉しい。駄目なら言ってくれ。

あんまり大した用事じゃねぇし、予定があったらそっちを優先してくれていいからな?
次は二人だけで行こう。
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「「「…………」」」

携帯電話の小さなディスプレイを顔を寄せ合いつつ三人でじっと見つめながら黙り込む。
舜からの珍しい送信や突然きた孟隻のメールは、どうやら同じ理由で送られてきたらしいとようやくわかる。

なんとなく腑に落ちないような納得してしまったような、そんな微妙気持ちを持て余しつつ。

「…とりあえず、新しい浴衣買いに行く?」

佐助の提案に二人が無言で頷いたのは言うまでもない。







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