やっぱり
2010/12/21 06:50
だってやっぱり連載話ではないですしねー…(´_`;)
は!番外編扱いとか!?
でもここでしか登場しないキャラとか稀にいますしねー…ってかうちのサイトは主人公別に分けてるからフォルダのない主人公はどうするんだっていう。
と、言うわけで。
以下はそんなフォルダのない主人公のお話です。ご注意ください。
* * * * *
主人公×元親
* * * * *
「…………」
しょぼんとうなだれた姿にいつもの元気は見る影もなく。
「なんて顔してやがんだオメェはよぅ」
気合いを入れるように背中を張っても効果なし。
まるで叱られた犬みてぇな様子だぜ。
普段が普段なだけにまったくもって見れたもんじゃねぇな。
「だってまた半年以上元親さんに会えなくなると思うと寂しいです…」
「情けねぇこと言ってんじゃねぇぞ仲双」
「だって…」
「何度も言ってんじゃねぇぞ」
そう呆れて一発頭をはたけば、恨めしそうに見上げてくる。
涙目なのは別に俺が叩いたからじゃない。
別れ際の仲双はいつだってこんなもんなのだ。
「…おれがいない間、危ないことなんかしないでくださいね」
「そんなんしねぇよ」
「むやみに裸にもならないでくださいよ」
「毎回うるせぇっての」
「夜中に甲板で寝たらお腹冷えちゃいますから…」
「いいから、余計な心配ばっかしてんじゃねぇ!」
毎回毎回別れる寸前までこんなやり取りを繰り返して国境までやってくる。
そうしていつも、決まって最後は俺を抱き寄せてこう言うのだ。
「……おれのこと、忘れないでくださいね」
しがみつくように抱えるように。
力一杯かと思いきや、その腕は予想外にふわりと緩い。
それを反対に目一杯抱きしめ返してやって、こう言い返すのが暗黙の了解なのだ。
「絶対忘れてなんかやらねぇから安心してまた顔見せに来い」
決まりきったこの台詞を聞くと、仲双はようやく安心して離れる。
そして嬉しそうに笑ってからまた半年後にと去っていく。
口では面倒な奴だと呟いてみても、それだけじゃないくすぐったさがずっと胸の中に残っていて。
おまけに毎回毎回そうやって抱きつくから、あいつが帰った後はなんとなく周りが寒い気がするし。
まぁ仲双が帰るのがいつも必ず冬だからというのはあるけれど、やっぱりそれだけってわけじゃねぇから。
早くまたあいつの来る季節になれば良いと毎回俺も思うのだ。
(真冬の恋7題)
6.寒いのは冬のせい
7.きみの温かさを知る
(C)確かに恋だった
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