自分で言うのもなんだが、事務員という職に就いてから仕事だけはしっかりと真面目にやってきた自信がある。
自信があるくらいなのだから、周りの先生方にもその努力というか態度を見ていてもらえたようで、会う度に『しっかりしてるな』やら『偉いな』などお褒めの言葉を下さる。


上記の件があり、私は若い娘にしてはしっかりしている方であるように言われてきた。(とても曖昧な言い方ではあるが)






だけど、なんだ。





私だって人間である。
泣きたくなるときもあるのだ。
気持ちというものが溜まりに溜まって思わず泣きそうになった時、タイミングを見計らったかの如くに大好きな土井先生がやってきてしまった。こりゃまずいと思ったが時すでに遅し。涙なんか一回出てしまったら簡単に止める事が出来ない。ああ、困った困った。







「だから私はおまえがほうっておけないんだ」




土井先生も困ったような笑顔だった。
そんな表情で、溜め息混じりな声で言うからもっともっと泣きたくなってしまった。


「ど、どいせんせ…」




涙を拭ってくれる土井先生の指があまりにも優しくて暖かくてまるでお伽噺みたいなんて、あまり良くわからないような感情が小さく胸に顔を出してきた。





「泣くだけ泣きなさい」




私はろくに答えもしないくせに土井先生の言葉と仕草に甘える事にしたのだった。





(さらに好きになってしまいそうです)

080629
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