「優しい時は並の人!!スイッチ入るとすごい!!けど怖い!!二重人格クラッチシューター日向順平!!」


遥から『順ちゃん』と呼び慕われている4番主将、SG。

クラッチタイム中は本音だだ漏れとなるが、このときの彼のシュートは滅多に落ちず、誠凛の頼もしい得点源である。


「沈着冷静慌てません!クールな司令塔!かと思いきやまさかのダジャレ好き!伊月俊!!」


主将とは別の意味でギャップのあるPG。

「サロンパスで…ナイスパス。やべぇきたコレ」と、こんなときにもダジャレを思いついているようだが、プレイはいつも冷静かつ的確だ。


「仕事キッチリ縁の下の力持ち!でも声誰も聞いたことない!水戸部凛之助!!」


誰より優しく誰より心配性なC。

Cとしての実力はさることながら、その無口っぷりも素晴らしく通訳が必要な程である。


「なんでもできるけどなんにもできない!Mr.器用貧乏!小金井慎二!!」


誠凛バスケ部のムードメーカーなF。

その紹介文句に「ひでぇ…」と涙を流しているが、あながち間違いでもないのが辛いところだろう。

以上4名が、これからのOFの中心となるメンバーだ。


「…粘って攻めて」


遥の目に諦めの色はない。

火神は黄瀬に食らいつき、2年陣も海常相手に善戦。

しかし形勢逆転には至らぬまま前半終了、あっという間に第3Q残り3分となった現在は6点差だ。

部員たちの体力や流れを考慮すると、そろそろ引き離され始める頃だろう。


「カントク…何か手はないんですか?」


リコもコートを眺めたまま悔しそうだ。


「前半のハイペースで、策とか仕掛けるような体力残ってないのよ。せめて黒子君がいてくれたら…」


遥もそれには同意だった。

黒子が動ける状態ではないと分かっていても、今ここに彼が加わればすぐに点差を埋めることが出来るのに、と考えてしまう。

黄瀬を責めるわけではないが、そもそも怪我がなければ、今頃優勢に事を運んでいたかもしれない。


「…わかりました」

「え?」


突如背後から聞こえた、聞き覚えのある声。

ベンチの後ろで静かに横になっていたはずの黒子が、上半身を起こして此方を見ていた。


「おはようございます。…じゃ、行ってきます」




END


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