「112対55で桐皇学園の勝ち!!礼!!」

「ありがとうございました!!」


喜びを露にする桐皇とは対照的に、誠凛には最低限の会話と重苦しい空気しかない。

誠凛は負けた。

彼に勝てなかった。

彼に寄り添うことが出来なかった。

温もりを感じない青の眼差しが、冷淡に走り去る姿が瞼の裏から離れない。

凍てつく彼を救うのは目が眩む程眩しい光と、濃く色を残す影しか有り得ないはずだった。

後悔や寂寥、様々な思いが交差するも、誠凛の試合はこれで終わりではない。

桐皇はまだ1試合目なのだ。

インターハイの舞台への道が、消えたわけではないのである。

だが、しかし。

崩壊の足音は少しずつ忍び寄ってきていた。

彼らにも、そして彼女にも。









残り2日、彼らは全力で取り組んだ。

しかし頼みの綱である火神がベンチ、選手たちの心身に残る疲労故の不協和音、そして6人目黒子の不調。

満身創痍で最後まで戦うも、対鳴成高校───惜敗。

続いて全てを懸けて挑んだ最終戦、対泉真館高校───王者相手に太刀打ち出来ず敗北。

誠凛高校のインターハイへの挑戦は終わった───。


「帝光でも誠凛でも、結局こうなっちゃうんだね」


───だが全てが終わったわけではない。

終わるということは同時に始まりを意味する。

───つまり。


「頑張ってるつもり、なんだけど、やっぱり…」


新しい挑戦へ───。


「…私はここにいるべきじゃないのかもしれない」




END

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テーマ「人外ファンタジー」
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