「じゃ、まず黒子君ね」
明らかにされた黒子の結果は、良くも悪くも普通だった。
普段から読書に勤しんでいるだけあって、国語に至っては80点以上を得点している。
対する火神の結果は、思わず全員が固まってしまう程のものだった。
41、14、5、3、そしてまさかの0。
「バカだとは!バカだとは思っていたけども!!ここまでか!!」
「フツーに0点もあんじゃねーか!!すげーよ!逆にな!」
「しかも英語も悪いって何!?帰国子女だろオマエ!!」
「日本の英語が細かすぎるんだよっ!!もっとテキトーっつうか通じりゃいんだよ言葉なんて!!」
どうやら、英語が41点と伸び悩んでいる理由がこれらしい。
ぱちくり、と瞳を瞬かせ遥は火神の解答に目を通す。
遥も飛び抜けて英語が出来るわけではないが、確かに日本の英語は話すための英語ではないのかもしれない。
「火神くんはリコの家で合宿だね。テツヤもいるし、ちょうどいいんじゃない?」
と言いながら遥がカントクの方へ振り向けば、彼女の見事な飛び蹴りが火神に命中しているところだった。
あまりの鮮やかさに、遥は再度ぱちくりと瞳を瞬かせる。
「見えないかもしれないけど、リコは前回の実力テスト学年2位だったんだよ」
「ちょっと遥、見えないかもしれないけどってどーゆーこと?」
「リコ可愛いから」
「いや意味わかんないから」
遥の言う通り、学年2位のカントクを筆頭に、誠凛バスケ部2年は皆勉強が出来るメンバーなのだ。
ちなみに2年生最下位は、主将・日向の112位である。
やはりこの結果が意外だったのか、1年生たちがどよめいた。
「え…ちょ…カントク…2位!?そんな頭いんすか!?」
「でも主将は…メガネのわりに思ったより…」
「メガネが全員頭いいと思うなよ!!てかまん中より上だからいんだよ!!」
必死な様子の日向を、遥はちらりと横目で捉える。
遥の記憶にあるメガネは、皆それは秀才だったのだ。
「バスケはバカでもできるわ!けどバカじゃ勝てないのよ!」
*
「実力テストは主要5科目!!みんなそれぞれ得意科目があるから、スペシャルチームを編成したわ!」
放課後、相田家にて。
理科・水戸部。
国語・黒子。
数学・伊月。
社会・日向。
英語・土田。
総指揮・リコ。
以上バカガミ学力アップスペシャルチームが、ここに結成された。
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