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「第3Q始めます!!」
誠凛対秀徳の後半戦開始。
当然ではあるが、黒子はベンチスタートである。
定位置を陣取っている遥は、真剣な眼差しをコートに送る一方で、先程の文言を脳内で復唱していた。
どうにか関連付けることは出来ないか───。
「始まった!!」
後半のスタートは誠凛主将・日向からだ。
しかし、それはすぐさま秀徳に奪われ緑間に。
「うわぁ!?いきなり緑間!!」
いつの間に追いついたのか、火神がブロックにかかるも、それをものともしない緑間のシュートが決まる。
この精度から考えて、彼にボールが渡るイコール得点、と言っても過言ではないだろう。
続いて攻撃は誠凛、黒子と入れ替わりで入った小金井にボールが託された。
「うまい!!意表をついて…どっからでも(そこそこ)打てる小金井先輩!!」
後輩のセリフからも分かる通り、小金井は選手としてだけでなく、誠凛のムードメーカーとしても活躍してくれる。
「今回は入った!!」
「何その言い方!?」
しっかり得点と空気を鷲掴んだ小金井に向かい、遥は小さくガッツポーズをしてみせた。
小金井からは何とも複雑そうな笑顔が返ってき、和やかな雰囲気も出てきたかと思いきや、ボールはまたも秀徳の要・緑間へ渡る。
本日何度目か分からない両チームエース対決、火神対緑間だ。
得意のシュートを放つ緑間、させまいと飛び上がる火神。
「!!?」
その瞬間、誰もが予想していなかった展開に、会場は勿論遥も瞳を大きく見開いた。
緑間の手を離れたボールはゴールに入ったものの、リングを何度もバウンドし、『辛うじて入った』のだ。
絶対の精度を誇る、あの緑間らしくないシュートだったのである。
当人も驚いているらしく、忌々しげに火神を見やると口を開いた。
「オマエ…星座は?」
「?…獅子座だよ」
誠凛ルーキーの返事に思い当たる節があるのは、緑間だけではない。
「……まったく、本当によく当たる占いなのだよ」
「これってやっぱり『運命なのだよ』…かな」
遥の目元が綻ぶ。
こんなところにこの方面での突破口があるとは───これを運命と呼ばずに何と呼ぼうか。
『一位のかに座のアナタは絶好調!!ラッキーアイテム狸の信楽焼を持てば向かう所敵なし!!…ただし獅子座の方とだけは相性最悪!!出会ったら要注意…』
思い起こされるのは、先程調べておいた、緑間が絶対の信頼を置いている某番組内の占いの結果である。
「当たるも八卦、当たらぬも八卦って言うけど……どっちに転ぶかはっきり言ってないんだよね、おは朝」
本日のラッキーアイテムVS本日の星座の相性───一体勝つのはどっち?
END
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