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3日ぶりの学校は辛かった。

授業についていけないのは勿論、寝込んでいたせいで体力が落ち、登校すること自体も辛い。

それでも学校に着いてしまえば心配したクラスメイトが気を使ってくれたし、それは楽しく1日を終える───はずだった。


「名字さん」

「黒子君、久しぶり」


比較的早いうちから視界に入っていたため、名前は彼の登場に驚くことなく返事を返す。

それが意外だったのか、ほんの僅かに目を瞠った黒子だったが、次いで体調を気遣う言葉を投げかけた。

3日自宅に引きこもっていた際にメールで数度やり取りはしていたが、こうして会話をするのも実に3日ぶりである。


「大分ましになったよ。部活も出ると思う」

「それは良かったです。ボクも出来るだけ手伝いますけど、無理はしないで下さいね」

「ありがとう。頼りにしてるね」


───そう言って別れたのは昼休み。

確かに名前は病み上がりで本調子とは言えないし、「頼りにしている」と言った。

一方で、確かに彼は「出来るだけ手伝う」と言った。

双方に相違はないのだが、それがどうしてまたこうなったのか。

その光景をまざまざと見せつけられている1人である火神は、目の前で繰り広げられているコントのようなやり取りを、ただただ黙って見つめるしか出来ない。


「…………何があったの?」


皆の心中を支配する疑問を代弁したのは、最後の最後にやって来たカントクだ。

今日も今日とて、いつも通りに厳しく激しい練習が始まるはずだったのだが、部員たちの脳内は今それどころではない。


「あ、お久しぶりですリコ先輩!」

「うん久しぶり。風邪はもう大丈夫───ってちがーう!」


カントクの盛大なノリツッコミに、渦中の人である名前は目を丸くした。

その後ろに金魚の糞の如く付き従う黒子はいつもの表情である。


「え、2人ってそんな仲良かったっけ?いや、そうじゃなくて……なんなの!?」


なんなのと言われましても。

きょとんとした2人は顔を見合わせた。


「もう熱もないし大丈夫なんですけど、一応病み上がりってことで黒子君に手伝ってもらってます」

「3日休んで元気みたいですけど、名字さんの顔色があまり良くないのでサポートをしてました」

「え、私顔色悪い?だからだったの?」

「はい。少しまだ」


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