幸せな夢を見た、すぐに君に会いたくなった



「名前」

アレンが笑う。
わたしもつられて笑顔になる。

アレンに手を引っ張られ、そのまま彼の腕の中に収まった。
目を閉じる、
アレンの爽やかな匂いを大きく吸い込む、

そう、アレンの爽やかな匂い…

……あれ、なんでかな、

なんだか鉄っぽい、

…………血?




重い重いまぶたを薄く開く。


もやがかかったように薄暗い空が見えた。


匂いで分かる、

もやの正体はきっとガス。


そうだ、わたしは任務でロシアに来たんだ。

それで、AKUMAに不意討ちをくらって



ズキ、

と頭に鈍痛が走る。


呼吸がひどくし辛い。


痛い、

いや、寒い。


意識がかすれる。


少し視線をずらすと、

自分の血液と思われる赤がわたしの周りを大きく囲んでいた。







ああ、

死ぬのかな。







重いまぶたを閉じれば、先ほど見た夢が頭の中に広がる。


エクソシストとなったときに覚悟を決めていたはずなのに、

戦争に参加する心構え

いつ死んでもおかしくないということは肝に銘じてきたはずなのに、






なんでかな、

会いたくてたまらないよ、アレン





「ア、れ…ん」





擦れた声にならない声で呼ぶ愛しい彼の名前。






あいたいよ、










幸せな夢をみた、

すぐに君に会いたくなった







20110410


夢だけじゃ、たりないの

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