滑るシーツが愛おしい
「ん………、」
重いまぶたをゆっくり開ける。
今、何時?
そう思って時計を見ようと体を動そうとしたけど、腰を後ろから抱き締めるようにアレンに腕をまわされていて思うように動けなかった。
「ちょ、アレン」
「………」
「ね、放して?」
「んー………」
小さな声でアレンのほうを振り返り言ってみたけど、アレンは眉をよせるだけで起きる様子はない。
ていうか、素肌が触れ合う感触が恥ずかしいから早く放してほしいんだけどな…
「ねぇ、アレン?」
「………」
だめだ、起きないや。
しょうがない、無理矢理腕を外すか…
そう思って腰に回る腕を無理矢理外そうとするけど、外そうとすればするほど、ぎゅーっと腕の力が強まる。
ちょ、こいつ絶対起きてる。
「ちょ!アレンっ、放して」
「やだ」
「やっぱり寝たフリっ」
「起きてたら放さなきゃいけないでしょう?」
「…起きてても起きてなくても放さないくせに、」
「はは、当たり」
「んっ、」
アレンに振り返って、口をとがらせてそう文句を言うと、アレンは笑いながら唇を食べるようにキスしてきた。
ちゅっ、と音をたてて唇を離すと、体を反転させられて今度は深く口付けるアレン。
「んっ………」
苦しい、
アレンの胸を突っぱねたけど、アレンの少し筋肉質な腕によって逆に引き寄せられてしまった。
酸素不足でぼーっとする頭で、アレンの唇は甘いなぁ、なんて考える。
だって、本当にとけちゃいそう。
激しいのに優しくて、苦しいのに気持ちいい。
「、はぁっ…」
ようやく離れた唇。
アレンを見上げる、
ごくり、
つい、息を呑んでしまった。
だって、
嫌でも男を感じてしまうような、熱っぽい瞳。
いつの間に体勢をかえたのか、馬乗りされてるし、
…ていうか、朝からやる気ですよこの人。
「やだ、昨日いっぱいしたじゃん」
むぅ、とアレンを睨む。
「何のことですか?」
超笑顔のアレン。
…しらばっくれやがった。
こいつ無理がありすぎるしらばっくれやりましたよ!
「やだ」
「ダメ」
「疲れるもん」
「へぇー」
「本当にや、あっ…!」
わたしのお腹を滑るアレンの指、
そのままさっきの口付けで少し潤ってしまっていたそこに触れた。
「ちょっ!アレンっ!だめだってば、ぁっ、」
「ダメ?」
「っ…、」
顔を傾けるアレン。
…そんなの反則だ、
アレンはきっと、わたしが断れないこと分かっててそういうことするんだ。
「…もうしらない、」
「あはは、名前かわいい」
そう笑って、ちゅっ、とかわいいキスをくれるから、
胸がきゅんきゅんしちゃって、
アレンが愛しくなっちゃって、
あたしは快感に身を任せたまま目を閉じた。
滑るシーツが愛おしい20110406