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「あ、ラビ!」
大学の食堂でリナリーとご飯を食べているときに偶然見つけた赤い頭
「おぉ、ナノ、リナリー。」
「こんにちは。」
…と白い頭。
「うわ、出た。白もやしめ」
「ははは、誰のこと言ってるんですか?答えによっては君をぶちのめしますよ。」
「…」
バチバチと確実に火花が散っているだろうあたしとアレンを見て、ラビとリナリーが呆れたようにため息をつく。
「いい加減にするさアレン、ナノ」
「この豚のほうから噛み付いてくるんですよ、豚のくせに。」
「誰が豚だ純白腐れもやし!」
「これは豚箱にぶちこむ他ありませんね。ラビ、縄をください、今すぐ。」
「あーもう、二人とも落ち着いて!」
リナリーの仲介でようやくあたしとアレンはふんっとお互いに視線を逸らした。
ちなみにあたしとアレンは顔を合わす度に喧嘩を繰り広げている。
お互いに馬が合わないってやつなんだ、きっと。
「ナノ、次授業よ。」
「えぇー…だるい…」
「だめよ、ナノ単位危ないんだから」
「う、」
リナリーに引きずられるようにして食堂を後にした。
「あの人なんのために大学に来てるんでしょう?」
「高校のときの進路希望調査で"勉強をしなくていい大学にいきたい"って書いてたさ」
「むちゃくちゃ言ってますね」
「ナノがこの大学に入れたことが未だに謎さ。」
あたしの半泣きで連れていかれる姿を見ながらラビとアレンがこんな話をしているのを知らずに。
―
あー今日も一日疲れたな、っと。
ベットにごろり、と寝転がるとうとうとと瞼が重くなり睡魔が襲ってくる。
あー…
まだリナリーにメール返してないのに………
けど眠いな………
ごめんリナリー…………………
そこでぷつり、とあたしの意識は途切れた。
『ウフフフフフ…』
、夢?
意識がふわふわと不安定で起きているのか寝ているのかよくわからない。
けど、目の前にはぼんやり巨漢…いや肥満?なシルクハットをかぶったおじさんが見える。
『…だれ?』
『神様ですヨ』
『うそ………』
こんな神様いてたまるか。
意識はぼやけてたけど、これだけははっきり思った。
『願いをひとつ、叶えてあげまショウ』
『ね、がい……?』
『そうデス』
願いか…そんないきなり言われてもな……
一生楽して生きていきたいっていうのはあるけど、こんな漠然としてたらだめかな…………
そうだな、とりあえず………
『ネコに、ちょっとだけなりたいかも……』
『了解しまシタ』
ネコになれたらな…楽そうだな…
そのまままた意識は途切れた。
20110327