X days



ガチャ、



鍵を開けて、部屋に入ると部屋の電気がついていた。

案の定、部屋のソファには寝息をたてながら丸くなって寝ている僕の彼女がいて、

「はぁ…またこんなとこで何もかけずに寝て…風邪ひきますよ」

気持ちよさそうに寝ているナノにそう言ってみたものの、起きる様子はない。
僕はタオルケットをナノにかけて、ナノの頭を持ち上げて膝にのせてソファに腰掛けた。

本当、全然起きないな。

サラサラと、ナノの頭を撫でる。
すると、ナノは幸せそうに薄く微笑む。

「…ふは、本当猫みたいだな」

合鍵を渡してから、半同棲状態になりつつある僕とナノ。
ナノがうちに住み着いているって言い方のほうが正しいけど。
まぁ、確かに前にナノの家に行ったときは住めたもんじゃなかったらな。

あれから、少し月日が経った。

僕はソファにもたれて、目を閉じる。
思い出すのはいつか見た夢、







『ウフフフフ………』

ぼやけた意識の中で出会った太った大きな体の怪しげな男。

『だ、誰ですか?』

『神様でス』

『嘘だ』

『即答ですカ。失礼ですネ、アレン・ウォーカー』

『なんで僕の名前を、』

『神様だからですヨ』

『はぁ…』

『願いをひとつ叶えてあげまショウ』

『そんなまた唐突な』

『早くしてくださイ』

『急に言われても………まぁ、あえて言うなら、』

『何ですカ?』

『…………好きな子と両思いにしてほしいです…………』

『意外と可愛い願い事ですネ、アレン・ウォーカー』

『うるさいです』

『分かりましタ。その願い叶えてあげまショウ』

『、僕の好きな人分かるんですか?』

『神様ですかラ』

『はぁ…』






あの時、ナノの話を聞いたときはすごく驚いた。

だって、僕がナノのことを思いすぎてこんなふざけた夢を見たと思ったから(翌朝本気でへこんだ)

あの神様と名乗った男は一体何だったんだろうか?
本当に神様だったのかな、

「…ん、……アレン…?」
「あ、ナノ起きた?」
「うん…おかえり…あれん…」

眠たそうにとろけた目で僕を見上げるナノ。
自然と頬がゆるむ。

「ただいま、ナノ。今日の晩ご飯は何がいいですか?」
「…うん、、あれんがつくるのならなんでもいーや…」

本当かわいいな、こいつ。

体を屈めてナノに口付ける。
ナノは小さく、ん、と漏らして口付けを受けとめてくれた。



心にじんわり広がる幸せの中、あのうさんくさい神様とやらを信じてやってもいいかもしれない。と思った。










「ウフフフフ」

「何見てるのぉ〜?」

「我輩がキューピッドをしたカップルですヨ」

「ふ〜ん。ロードは今月入ってから6組くっつけたけどね〜」

「ロード、キューピッドたる者、恋愛は量より質ですヨ」

「えぇ〜?何それぇー」

「ウフフ。さて、次はどの恋を応援しましょうカ」

「あ、待ってよぉ〜」













the cat's seven days





Fin.


20110403

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