「さっきまで飛び降りようとしてたのにナイフが怖いかい?ハハハ、君は矛盾してるなあ!」

「わたしなんかに何の用?折原臨也さん。」

「名前を覚えられてるなんて光栄だよ。」

「…。」

貴方の名前を知らない人なんて池袋にいないと思うけど。それに質問の答えになってないし。噂通りの変な人…

「君の借金、俺が払ってあげようか」

「!?何でいきなりそんな、?」

情報屋というだけあって、やっぱりわたしのことも知っているんだ…。借金のことを知ってるなんて、プライバシーも何もあったもんじゃない。しかし、何で?借金取りに追われているってこと以外、何ひとつ面白いことを持っていない凡人なのに?

「特にこれといった意味はないよ、ただ単に俺が君に興味が湧いただけ。」

「…もし、そうした場合の条件は…?」

「流石、賢いな君は。俺が見込んだだけあるよ。んーとそうだなぁ、まぁ俺が呼んだ時にすぐ来てくれればそれでいいよ」

「本当にそれだけ?」

「さぁね。」

この人の言うことだし、信用ならない。この提案を受け入れるよりも、この場をやり過ごして後でまた自分を殺すのが一番良い方法なんじゃない?この人と関わったら最後、死なせてくれはしないし、臨也の駒となり…はぁ、絶対に有り得ない。

「もしこの場をやり過ごして後で死のうって考えてるんだったら止めた方がいいよ。そんなこと俺がさせる訳ないじゃないか。お前を追ってる奴らに自殺しようとしてるって伝えるし」

くそっ、お見通しか。本当に、どうしてわたしはこの人に目を付けられてしまったのだ、何をしたかはわからないけど自分を恨みたい

「ていうか、いいの?もうあいつらが来るけど。陽?」

身の毛がよだった。今までもわたしの情報を持っているとは彼の言葉からわかったけれど、名前は格別だった。もうわたしはこの人から逃げることが出来ない...

「よろしく、お願いします……。」

「そうこなくっちゃ!」

この人はYES以外の言葉は許してくれないらしい。


*****


「ねーチーベ?」







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