「ニャオ……」

池袋の街をブラブラと歩いていると、路地裏に猫を見つけた。丁度その猫もこっちを見ていて「おいで」と言うとすぐに足下に寄り添ってきた。
短めの灰色の毛と透き通った青の目が綺麗だと思った。こんな汚い路地裏なんかこの猫に似合わない。首の下を撫でてやると、その大きな目を細めて気持ちよさそうにしている。“可愛い”。特に猫好きとか動物好きとかいう訳じゃないけれど、この子は特別可愛いと思った。そういえば首輪をしていない。……もしかして、野良?連れて帰ってもいいかな。「おうち来る?」そう問えば、初めと同じように一声鳴いた。


*****


「ロシアンブルーか」

ずっとあの猫の種類が気になっていた。だからペットショップまで足を運び、ガラス張りのゲージを眺めて呟いた。一匹買うだけでこんなにするのか…。随分と良い拾いものをしたものだ。
店内をぐるーっと見て回って、カリカリするキャットフードとトイレとかの必要な物を購入した。おもちゃも店内のあちこちで見かけたのだけれど、カゴに入れることはしなかった。あの子にはなんとなく似合わない気がしたから。
もしおもちゃが好きだったら、申し訳ないなあ…




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