「誘ってくれてありがとうー!」
「いいえ、どういたしまして。わたしも名前さんと話したかったから」
「本当!?わぁ、嬉しいなあ」
蒼樹さんとは最近知り合ったばかりで、少年誌に描く女性作家仲間。本当は、+naturalの原作の方も女性らしいのだけれど、まだ会ったことがない。
そんな訳で、今は蒼樹さんのお家にお邪魔している。綺麗な家で、家だけ見ても、素敵な女性が住んでるんだなあってすぐにわかる、そんなお家。
「蒼樹さんはアシスタント全員女性なんですよね?」
「はい。やっぱり気を許せるのは女性だけですから」
「それって集めるの大変じゃなかったですか?」
「編集の方がやってくださったので…」
「あぁ、そうですよね」
わたしの所のアシスタントさんは男性のが多い。絵の上手い女性アシスタントなんて、相当集めるのは大変だった筈。蒼樹さんの編集って、誰だったっけ、優秀なんだな。いや、わたしの編集に文句あるとかそんなんじゃないよ?仕事中の雰囲気楽しいし!(締め切り前は死んでるけど。わたしの所為だけど)
「名前さんは、恋愛今されてますか?」
「い、いきなりですね」
「あっすみません、飛んだ話しちゃって」
「全然構いませんよ。恋してるかしてないかと言ったら、してない、ですかね。蒼樹さんは?」
「わたしは…最近結婚の約束はしたんですけど、経験は零に近くて、」
「なのに青葉の頃を描かれていたなんて…凄いですね!経験無しであそこまで描けるって…」
「そんなことないですよ…」
「いやいや、凄いですって!でも蒼樹さんみたいに可愛い人が恋愛経験ゼロって…新鮮!」
「そうですか?」
「はい!とっても!」
だってこんなに可愛いのに慣れてないってことはきっと初々しい反応するんでしょう?見たいなぁ、蒼樹さん可愛いから見たいなぁ…。
「あの、名前さん?」
「え?あ、はい。すいません、今ぼーっとしてました?」
「はい。どうかなさいました?」
「いえ、何も」
ごめんね、純粋な蒼樹さん相手に変なこと考えてたなんて、口が裂けても言えないよ!
「話戻しますが因みにそのお相手は?」
「平丸和也さんです」
「ああ、ラッコ11号の!」
「はい。平丸さんも福田組の一員なんですよ」
「福田組?」
「あ、ご存知なかったですか。漫画家同士で集まったりする集団の発端が福田真太さんなので、福田組です」
「そんなのがあるんですか!?是非入れて欲しいなぁ…」
「名前さんならきっとすぐに入れてくれると思いますよ。今度一緒に行きましょうか」
「いいんですか!?」
「はい。名前さんが福田組に入れば女性も増えますしわたしも楽しくなりますから」
「ありがとうございます!」
福田組に入れば、蒼樹さんと平丸さんのいちゃいちゃが見れるわけだな納得!話聞いてると、他にも漫画家さんいるみたいだし、良い影響もらえるかも!
博打へ
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ。楽しかったです」
「じゃあ福田組の件、宜しくお願いしますね」
「はい。またメールなどで連絡します」
あとがき