※社会人















「苗字さん」

「な、なんでしょうか」


 荷物をまとめて帰ろうとしている苗字さんの腕を掴んだ。ああ、びっくりしてる、目見開いて。確かにそんなに関わりもないし、話す機会もあまりないけど、そこまで驚くこともないんじゃないか。一応は同じ場所で働いている者同士なんだから。


「何で言ってくれないんですか」

「え、な、何を」

「今日誕生日って、小耳に挟んだんですけど」


 そう、今日は苗字さんの誕生日らしい。お昼のときに会話してるのをたまたま聞いただけなんだけど。あんまり関わりのない人に態々誕生日なんて言わないことくらいわかってる。けど、なんか、僕だってそのイベントに関わりたくて。というか、苗字さんの中に入りたくて。こんな変なことを言っているんだ。


「おめでとうございます」

「あ、ありがとうございます」


 どうしよう、やっぱりまずかったかな。苗字さん驚きすぎて少し挙動不審だし。会話続かないし。あ、僕はあまり人と話すのが得意じゃないんだった。誕生日だからって何歳になったんですかなんて聞けないし。


「あの」

「はい」

「お祝いしたいので、この後ご飯でもどうですか」

「あ、えっと」


 何か考え事をする苗字さん。もしかして予定があったのかもしれない。そりゃそうだ、誕生日だからそのくらい当たり前だ。何で気が付かなかったんだろう。とは言え口をついて出た言葉を否定する訳にもいかない。だって、なんとも思ってない人にご飯誘ったりなんかしないし、あわよくばどうにかなりたいとか思ってるから。


「大丈夫です、行きましょう!」

「え?予定は?」

「ありませんそんなもの!」


 結果オーライ、ってことで。予約も何もしてないんだけど、これからどうしようかな。




□□□□
大遅刻ごめんなさい!忘れてた訳じゃないんだよ!?私生活がドタバタしてて……(言い訳にすぎない)赤司さんは私イマイチわからんので黒子さんにしました。というか、ヒロインが誕生日なのに全然目立ってない……!?(*x*三*x*)すまん、ほんとに。二人ともオドオドしてるから進展するのが不安な二人になっちゃいましたけど、黒子はやるときはやる男だと信じております!誕生日おめでとう!まみやん!

131027

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -