やっちゃった。だからわたしって馬鹿なんだよなあ。
少々自己嫌悪気味なわたしは今夕飯を作ってたんです。実はここ一ヶ月、両親が京都に旅行にいっちゃって………国内で一ヶ月ってどんだけなの。あ、それで、1人で夕飯作ってたら張り切りすぎていっぱい作っちゃったんだよね。一ヶ月毎日同じものっていうのは流石に飽きるし…はあ、どうしたものか。

暗くなった窓の外を眺めていたら、急にガシャンと何かが崩れる音がした。お隣の家からっぽい。あ、そうだ。お隣さんにおすそ分けすればいいんだ!

思い立ったが即行動。煮物をちょっとしたパックにつめ、外へ向かった。


*****


“ピンポーン”

思い切ってチャイムを鳴らしたはいいものの、お隣さんに会うのは初めてで。回覧板とか回すときも大抵郵便受けに入れちゃうから……若干緊張気味。今更ながら、怖い人だったらどうしよ、『はい?』あ、インターホンつながったみたい。

「えっと、隣の家に住んでる苗字名前ですけど、煮物作りすぎちゃって…。良かったら食べませんか?」

『ちょっと待ってて下さい』

あ、出てきてくれるみたい。だ、大丈夫かな、わたし変な格好じゃないかな、

“ガチャ”

「はじめましてです」

「あ、は、はじめまして」

人目で怖い人じゃなさそうってわかった。人前にスウェットで出てくる人って、怖い、よりは変、だよね?あと、大人じゃない。わたしと同じくらいかな、わかんないけど。

「あの、これ、どうぞ」

「ありがとうございます。まだ食べてなかったので丁度良かったです」

そう言った彼は、ふわっと笑った。子供みたいだと思った。可愛いと、思った。心臓が大きくドクンと波うった気がした。

「あの、もしよかったら、明日も来ていいですか?」

何を言ってるんだ、わたしは。勝手に口動くな。わたしの把握出来ないところで好き勝手喋るな。

「明日も持ってきてくれるですか!?助かります!ありがとうございます!」

あ、大丈夫だったみたい。ペコリと頭を下げた新妻さんを見て思った。「じゃあ、おやすみなさい」と少し早い寝る挨拶を交わした。家に帰ってご飯食べながらもう明日の夕飯のメニューを考えていて、毎週みているTV番組も、ただのBGMでしかなかった。


*****


“ピンポーン”

今日はカレーを作ってみた。ありきたりだけど、一番無難かなあって思って。

“ガチャ”とドアを開けて出てきたのは新妻さんじゃなかった。あ、れ?間違ってないよね?うん、表札はちゃんと「新妻」だ。じゃあこの男の人は誰?銀色の長髪。もしかしてヤンキーとかの怖い人…??え、なんで新妻さんの家に。

「おい」

「ぁ、はい!」

「エイジに用か?」

「えと、新妻さんはいらっしゃいますか?」

「ちょっと待ってろ」

新妻さんの名前、そういえばわたし知らなかったんだ。自信無かったから新妻さんにしといた。やっぱり長髪お兄さんと新妻さんは知り合いみたい。

「あがってって、エイジが」

「…………お邪魔します」

新妻さん=エイジさん らしい。ていうかいいのかな、入っても。でも長髪お兄さんが怖いので入る他ありません。
長髪お兄さんの後ろをついていくと開けた部屋に出た。そこには新妻さんもいたけど他にも男の人がいた。

「え、えと」

注目浴びるのって好きじゃないんだよね。それに周りの人は知らない男の人だし。無駄に緊張するし、冷や汗かかない?

「名前さん!」

「新妻さん、どうぞ」

「おい亜城木、コイツ知ってるか?」

「知りませんよ」

「僕も」

「エイジ、その子誰だ?」

「僕の彼女ですよ」

「「「え?」」」

わたしも声に出してはいないものの、「え、」となった。顔にどんどん熱があがってくのがわかる。うわあああ恥ずかしい、 それは期待していいのかな…?

「僕は名前さんのこと好きですけど、駄目ですか?」

何これ公開告白?みんなの視線は集まるし(当たり前だけど、)恥ずかしい。けど、新妻さんが言ってきてくれてるから、

わたしはちょっと背伸びして新妻さんに耳打ちした。


わたしも好きです

「まさかエイジにも負けるとはなあー。お前らはもう彼女いるしよ」
「羨ましいです?」
「そりゃあな!」
「名前さん、やっぱり名前で呼んで下さい」
「じゃあわたしも呼び捨てで」
「見せ付けんな!カレーもーらいっ」
「「あ!」」
「福田さんわがまま…」
「まあ俺らが言えることじゃねえよ」
「そうだね」


□□□□

福田組全員いたわけじゃないですよ!
蒼木嬢と平丸さんはいません。なんかややこしいことになりそうだったから出演を控えてもらいましたw←
お持ち帰りはラウルさまのみ許可します。その他の方は駄目ですよ!
それでは、リクエストありがとうございましたっ

101023

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