「あ、また今日も顔に絆創膏つけて!今日はどうしたの」

「………電柱にぶつかった。」

「あはは、馬鹿じゃん!前ぐらいちゃんと見て歩きなよー」


 同じクラスの陣内翔太は、馬鹿である。毎日何かしらケガをして傷をつけている。まぁこれはドジなのかもしれないけど。
 頭だって良いとはいえない。寧ろ悪い方。私が言えることじゃないけど一応点数は翔太より良いし!

 だからやっぱり馬鹿なのだ、翔太は。


 現在高校3年のあたし達は来年大学生だから勉強を頑張らなきゃいけない。
 でももう受験も終わって実は学校にいてもやることがない。でも真面目に来てる、なんでかわかんないけど。


「なぁお前将来何になんの?」

「うーんわかんない。大学行って決めるよ。そういう翔太は?」

「俺は…警察官」

「え、翔太が!?なれるわけないじゃん、そんな頭で」

「う、うるせぇなっ!別にいいだろ!」


 ケラケラと笑う私に反論してくる翔太。でも反論してくるのは普通か。


「まぁでも翔太でもなれたらあたしがなんかあげるよ。まぁ、なれたらだけどね!」


 そういってまた笑う。だって翔太は馬鹿にしても怒らないし(そんなにめったには。)冗談だって通じる仲だもん。


「じゃあっ…」

「じゃあ?」


 なんかよくわかんないけど凄く言いづらそうにしてる。言いたいことあるなら早く言えばいいのに。


「……警察んなったら、俺と結婚してくれ!」

「は!?えっ!?なんでいきなり結婚!?あたし達そんな関係じゃないし、たっ確かに結婚できる年だけど……」


 翔太を見たらそれ以上言えなかった。翔太の目が今まで見たことないくらい真剣だったから。テスト中盗み見た顔でさえもそんなじゃなかったのに。

 わかってた。本当は自分の気持ちくらい。じゃなきゃあんな馬鹿でドジな人のこと目で追ったりしない。
 でもこの関係がこわれるのが怖くて心の奥に隠してた。

 自分でもわかる。
その気持ちが出よう出ようとしてること。


「わかった。」

「え?」

「あたしそれまで待っといてやるからっ!」


 そう言ってかけだした。熱い頬を冷ますように風を感じた。
 走りながら考えてた、
付き合ってもないのにいきなり結婚なんて可笑しな話。でもそれを認めるくらい、自分も好きになっていたんだと。


*****


うぃーん

『(涼しー…)』


 夏の暑さに耐えられず、誘われるようにして入ったコンビニ。目的もなく、中をゆっくりとうろつく。


「(あ、)」


 アイスだ、なんて思って近づく。夏だからかな、凄く美味しそうに見える。
 久しぶりにパ●コを手に取りレジで会計する。まだまだコンビニ内にいたいところだが家に帰らなくては。


うぃーん


「(あっつー…)」


 生暖かく、湿度の高い空気が私にまとわりつく。本当にやめてほしい。

 あれから4年たった今、私は22歳。律儀に約束を守り、今も1人だ。


「何やってんだろ。」


 誰もいない通りに愚痴をこぼす。自分で言っておきながら顔は苦笑いだ。
 どうせあの人も忘れてるだろうに。

 あーあ去年の夏はOZで大混乱があったけど復旧してよかったなぁーっと。


「名前!!」


 名前を呼ばれて振り返れば、警察官。何で警察が私の名前知ってんの。しかも下の方。私なにかやらかしたっけ。
 最近を振り返ってみるけど思い当たる節は無い。別に交通事故も起こしてない。だってわたしゴールド免許。まじでなんなんだ、警察に捕まるようなことしてねーって。多分。

 だんだんと近づいてくる内にわかった。私が今思い出していたかなり懐かしい人だ。夜の暗さでわかんなかったじゃないか。でも顔は昔とさほど変わらずマヌケだった。


「名前、覚えてるか?」

「覚えてますよ、陣内翔太さん。」

「悪ぃ、凄ぇ遅くなっちった。」

「ほんとだよ、馬鹿。」


 アイス溶けるとかふと思って、即座にパ●コの半分を割って押し付けた。ある意味照れ隠しの行動だ。道のど真ん中もどうかと思うし近くの公園に促す。


「翔太のことだからどーせ警察なるまで時間かかったんでしょ。」

「あぁ。」


 ベンチに座って2人でパ●コ食べてる。さっき久しぶりに会ったとは思えないくらい、流れてる空気が心地よい。


「俺と結婚して下さい。」

「…うん、あたしだって今までずっとそのつもりだったし。」 言葉とは裏腹に、目線は下、翔太とは違う方へ下がっていく。


「そういえばさ、」

「あ?」

「婚約指輪とか無いんだね」

「なっ!俺はお前を探すのに精一杯でそれどころじゃ…」

「はいはい、ありがと」


 そんな風に慌てふためくところがどこか懐かしくて笑みがこぼれた。


「それじゃあ、帰りますか。」

「送ってくよ。」


 まさか翔太がそんなこと言うとは思ってもいなかったから凄いびっくりした。


「ありがと」


 2人並んで歩くと、途中から手を繋いできたもんだから恥ずかしかったけど仕返しに恋人つなぎにしてやった。


「ねぇ、」

「ん?」

「籍入れる前に同棲とかしちゃう?」


 返事はなかったけど、より一層強く握ってきた。そんな行動から私は気持ちを汲み取ってあげることにした。




(夏希より好きな人がいるとかいないとか)



つまういうこと
(私達って両想いだったんだね)




□□□□

フリリクをして下さったらら様へ。
お持ち帰りはらら様のみおk。

初翔太夢だったんですが…書いていくうちに翔太が美化されていってるような気がしてならない…orz
でも書いててかなり楽しかった^p^
きっとこの2人は結婚してもあまりラブラブしない気がする。というかイチャイチャしなさそう^p^
翔太はヒロインの笑顔見てフリーズ&口にくわえてたパ●コの容器をポロッと落としてくれると良いw←妄想
そしてヒロインちゃんはきっと隠れツンデレだ!← 寧ろツンテレかなww
では!らら様素敵なリクありがとうございました。

100807
加筆修正110103

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