「それも愛情だと思うけどな」

「はい?」


 自分の頭じゃ全く収集つかなくなっちゃったから理一さんに話を聞いてもらっている。侘助さんは東大で、理一さんは防衛大…って全然参考にならないじゃないか!夏希姉も健二さん追っかけて(というよりも待って?)東大行っちゃうし!


「ほら、侘助もれんげちゃんも同じ養子縁組みだろ?だからほっとけないんだよ」

「それと東大とどう関係があるんですかー」

「俺の支配下においておきたい、とかじゃない?」

「ええー…」


 支配下って何それ。意味わかんないし。なんて理一さんに当たっても何の意味もないから口の中で消化させる。


「一応今はあいつがれんげちゃんのパパみたいなものなんだからさ」

「…うーん」


 パパ、か。家系図的にはお兄さんなんだけど、こんだけ年離れといてお兄さんはない。だからパパっていうのは適切な表現かもしれない。でも、わたしは侘助さんをお父さんと思ったことなんて一度たりともない。せいぜい保護者といったところだ。去年の授業参観に来てくれたのは、嬉しかったけど…。今までそんなこと一度も無かったから…。


「理一さんはどう思う?」

「ええ?俺?」

「うん。侘助さんは本当のパパじゃないもん。なら理一さんにも意見求めたっていいでしょ?」

「じゃあ、れんげちゃんは将来何やりたいの?」

「将来やりたいこと?うーん…」

「顔真っ赤だよ。あ、佳主馬のお嫁さん、とか…」

「…はい」

「そうかー。やりたい仕事は?」

「やりたい、仕事…侘助さんとか、佳主馬とかを支えたい。あわよくば去年の夏の佐久間くんみたいになりたい!」

「じゃあそれを学べる大学に進学できる高校を選べばいいんだよ。糸口見つかったじゃん。頑張れよ」

「ありがとう!」


 佐久間くんに出来て、わたしに出来ないこと…パソコンに強くないからな、わたし。つまりはパソコンについて学べるところに行けばいいのか!じゃあ数学こんなところで躓いてる場合じゃないじゃん!今の学校は中高一貫だから高校は別のところにも行けるし、そのままエレベーターで上にもいける。よし。


「そんなに走ってどうしたのー?」

「調べ物ー!」


 知らなきゃ何も始まらない。わたしが学びたいのは何なのか、行ける大学はどこなのか。まずは調べなくちゃ!




120715


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