「は、すが、わらさ、んっ…」
「なに?」
「…やぁっ、」
「嘘は駄目でしょ」
「は、なし、て…」
「満更でも無い癖に」
チリッと痛む。あぁ、また菅原さん痕付けたのか。
部活が終わり、ちょっと待っててと言われて気がつけば体育館にはわたしと菅原さんしかいなくて。この前わたしが菅原さんに火を付けた時のように壁に追い込まれ行き場を無くしてこのザマだ。首の辺りに頭を埋めて、わたしはさっきからキスや所有印を付けられてばかり。汗臭い匂いはしなくて、清感剤の匂いがする。結構メンソールが強い。男性用かな。
「見えるところは、駄目、ですって」
「え?なに?聞こえないなあ」
「菅原さん!」
「ちょっと黙ってなよ」
「っ…」
菅原さんにちょっと生意気な態度をとった時の後、半強制的に付き合うことになった。だって付き合わなきゃ俺が優しいだけじゃないって、わかんないでしょ?なんて有無を言わさぬその笑顔で言うんだから。その時から彼が怖くて仕方なくて、でも不思議なことに同時にどんどん惹かれていった。だからこんなことをされても、何処かでわたしは彼を受け入れている。
「菅原さん、」
「黙ってなって、」
「すき」
「!…」
「…はぁ」
「…そんなこと言って、どうなっても知らないからな」
「いたっ…」
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