「次はシリアスって…やっぱ港浦さんわかってねーな」

「ああ。シュージンが活きるのはシリアスだって!」

「そいじゃ、行ってきまーす」

「どこ行くの?」

「集英社」

「昨日行ったじゃん」

「働くことになったから」

「「は?」」

「そういうことだから」

「え、直子なんでそんな服部さんに固執して、」

「後でメールする!」


 このまま話していたら遅刻する…!て訳で会話もそこそこに出てきてしまった。シュージンに聞かれたくないからメールするって言ったけど、サイコーがシュージンに見せちゃったら意味ないんだよね。どうかわかってくれますように!キャリーバックをごろごろ引きながらサイコーにメールを打つ。交番…とか近くにないよね、「ながら歩き」で怒られちゃう。


「あ、昨日の…」


 吉田さんを見かけて話しかけようとしたけどスルーされちゃった。昨日は割と賛成的だったのに。うーむ。


「悪いな、あいつああいう奴なんだ」

「雄二郎さんが謝る必要性は、ないと思います」

「はは、まぁいいや。上行こう?」
「はい!」


 本当は受付で何か手続きをしなきゃいけなかったんだろうけど、雄二郎さんの顔パスでそのまますんなり入れてしまった。次来るとき面倒だろうなぁ…。


「おはようございます!今日から働かせていただきます!よろしくお願いします!」

「おう、よろしくなー」

「汚いだろうけどごめんな」


 週刊ジャンプ編集部に着いて、ドアのところで取りあえず挨拶。したら後ろから雄二郎さんが編集長んとこ行ってこいって耳打ちされた。そうだよね、ちゃんと編集長に挨拶に行かなきゃ駄目だよね。


「編集長、おはようございます!」

「おはよう」

「今日からよろしくお願いします!」

「ゴミには気をつけろ。捨てたら大変になるものも紛れ込んでることがあるからな」

「へ!?あ、はい!」


 なにそれゴミの管理も出来てないってどういうこと!?これだから男性だけなのは駄目なのよ。ゴミ捨ては注意しないとな。


「掃除用具ってどこにあります?」

「そこのロッカーの中にあると思うけど」

「はーい」


 ロッカーの中には掃除できそうなものはものは殆ど無くて、ボロ雑巾数枚とバケツくらいしかなかった。…掃除を嘗めとんのかあああっ!って言いたいくらいだ。全く。


「ちょっと買い出し言ってきます」

「いってらっしゃい」


 そういえば、雄二郎さんがよくわたしの声に返事してくれるけど、何でだろ?仕事集中してんのかな?
 とりあえず、マジックリンとか買わないと。

120714
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