※学パロ








「はい先生、ノートです」

「いつもご苦労なー」

「それでは失礼します」


 職員室のドアを閉め、溜め息をつく。係でもないのにノートを集めたり授業準備の手伝いをさせられたり。頼られるのは嫌いじゃないけど、こう雑務ばかりっていうのも、やっぱり疲れてしまう。それでも文句吐かずに淡々と仕事をこなす。こういうのを世間一般では先生ウケの良い生徒って言うんだろう。常に笑顔の仮面を貼り付けてきたお陰で厄介事も避けられてきている。そんな自分は嫌いじゃなかった。

 次の時間は化学だけど用意するものは特に無かった筈。授業始まるまでの数分間、少し居眠りをしようかな。そうでもしないと授業中に睡魔に襲われそうだ。あ、でも逆に眠くなるかな、やっぱり顔を洗いにいこうか。


「お前そこどけッ!」

「へ?  ぅわああ!」


 職員室からの帰り道、教室までの廊下をいつものように歩いていただけ。お前と呼ばれて振り返ると前から覆い被さって伏せられ(体格からして男の子っぽい子と至近距離…!)剣が視界を掠めた。しかも目の前を!何事!?校内で剣って何!?誰がそんな危険物…!?──隅に見えたのは校内では目立つ麦わら帽子で。そんなものを被っているのはわたしの知っている限り全校で1人しかいない。同学年のCクラス。因みにわたしはAクラスなので接点はない。


「こっちだ!」


 考えに浸るのも束の間、彼は腕を掴み走り出した。ちょっと待って、わたしを巻き込まないでよ!なんて言葉も口の中でもごもごして消える。こんな状況でそんなことを言える度胸は生憎持ち合わせていなかった。とりあえず今わたしがわかるのは剣を振り回す人にこの人は追いかけられているらしいということだけだ。喧嘩でもしたのだろうか?恐る恐る後ろを振り返ると少し遠くに緑の頭が見えた。これもわたしが知っているのは一人だけだ。


「撒くぞ」

「うん」


 麦わら帽子の彼が言葉を発するまでどうして彼は剣を持っているのかとか、どうして貴方はそんな彼に追いかけ回されているのかとか、聞きたいことは沢山あったのだけれど、喉まで出掛かって、するりとまた奥へ戻った。そして彼の問いに一切の迷いもなく答えた。

 そして次の瞬間、彼は遠くにある曲がり角の棒に手を伸ばし、片手でわたしを抱えて、飛んだ。悲鳴しか出なかった。他の関係ない人に迷惑がかかるとか、わたしらしくないだとか、そんなことまで頭は回らなかった。飛んだと言うべきか、手の位置まで戻ったと言うべきか適切な表現は見つからない。でも、今まで見たことの無かった世界がそこにあった。全てがキラキラ輝いて、その中にわたしがいる感覚。特にキラキラを振りまいていたのはわたしの腕を握って走る彼だ。そして彼はそのまま近くの空き教室に駆け込んだ。


「いきなり体抱え込むなんて…!」

「だから言ったろ?撒くって」

「でも…!」


 抱えられるとは聞いてない!とは言えず、口はぱくぱくと金魚のよう。なんて自由な人なんだろう。いっぺんに沢山のことがあったからか、胸は煩く高鳴っている。


「連れ回しちゃったな、悪ぃ」

「いや、別に…」


 あんまり悪びれたようには見えないけれど、にししと彼の笑顔に心臓が大きくはねるのがわかった。


「お前、名前は?」

「苗字名前」

「名前か。俺は、」

「ルフィ、でしょ?」

「知ってるのか。俺お前のこと見たことあるけど名前知らなかったからなあ!名前、だな!よろしくな!」


 差し出された手を握るのに、どれだけ時間のかかったことか。







流星ナイト

もしかしてこれは
恋わずらいという名の病気の始まりでしょうか




□□□□
久しぶりにアニメ観たらルフィがイケメンすぎてだな。後ろ姿とかイケメンだよな、あの黒髪がさ、汗でキラキラしてんだきっと!制服とか地味にニットベストとか着てくれたらやばい、可愛い。勿論赤のネクタイがいいけどやっぱなんでもいいや。上履き履いてるの考えると可愛すぎる。なんなのこの子。身長高いんだよこれが!よしよしされたい!

111105


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