もうこんな時期になっちゃったんだなぁ。手袋はまだ早いか?いや、でもマフラーはそろそろかな。まだ息は白くない。
 ベンチに座り、1人、考え込む。実際にはそんなに考えてなどいない。ある人を待っているのだ。彼は最近ずっと仕事が忙しいからわたしが近くまで迎えに来て、一緒に帰ることが多くなった。勿論、同棲している訳でも何でもないのだが、何しろ彼には時間が無い。だからデートも勿論無理。少しでも一緒にいる時間を増やしたくて、でも彼に迷惑をかけたくはない、そうしてわたしが考えた結果だった。
 たまには昔の方が良かったかな、なんて思うこともある。でも仕事が楽しそうな彼を見たらそんな感情はすっ飛んで消えるのだ。


「名前!」

「レン!」


 会うと必ず最初にハグをくれる。そうして今までいれなかった分のお互いの時間を取り戻すのだ。今日はおでこにキスをもらった。こういう時にするキスは、大抵彼が甘えたいという意思表示の意味を含んでいる。


「お仕事お疲れ様」

「あぁ。今日も迎えありがとな」


 わたしたちは手を繋いで歩き出す。確か今日は稽古だった筈。レンの手は温かいというよりも熱いに近かったが、わたしの冷えた手には丁度良かった。

 レンは一年半くらい前にVOCALOIDSというアイドルグループに入った。このグループはオーディションという形式はとっておらず、VOCALOIDSメンバー自身が町へ出て新しいメンバーを探す、という今までにないやり方で少しずつメンバーが増えてきた。VOCALOIDSのコンセプトはロボットのように正確で、天使(人に寄って女神、歌姫など名称は変わる)のように美しい歌声としている。だからVOCALOIDSが探しても、なかなか良い人はいないのである。そんなメンバーの集め方だからメンバーは不定期に増えるが、減りはしない。
 レンがスカウトされたのは街中だった。お気に入りの曲を鼻歌していたのを通りかかったVOCALOIDSは聞き逃さなかった。そしてレンは興味本位で芸能活動を始めることとなった。レンの歌の上手さはわたしも、周囲のみんなも知っていたけれど、当時も、今も売れているあの有名なVOCALOIDSメンバーになるだなんて誰が予想していただろうか。レンの噂は学校中瞬く間に広がった。
 レンと一緒にデビューしたのはリンという女の子だった。髪色、瞳色など容姿が少し似ている為、双子という仮設定も付けられたがそれは嘘だ。彼には兄弟がいない。実際にリンちゃんに会ったこともあるが、自分を作ったりしない真っ直ぐな子でとても可愛かった。
 今ではVOCALOIDSは売れに売れ、ソロで歌ったり、VOCALOIDSの中でコンビを組んで2、3人で歌うのは勿論のこと、トーク番組への出演、雑誌のインタビュー、ドラマ出演など、スケジュールはびっしりである。そんな彼を癒やすのがわたしができる精一杯の仕事。とか勝手に思っている。


「あぁそうだ」

「ん?…ひゃ、」


 いきなり冷たい外気に晒された腹は鳥肌になっている。


「消えてきたな」

「うん」


 レンがまだデビューしたての頃、一番最初のサインが欲しくてサイン下さいとお願いしたことがある。いつも一緒にいるのに何で?と彼は聞いたがかくかくしかじかでと説明すると服を捲って左腹に直接書いたのだ。それからというもの、薄くなった上から書いて、そのサインを絶やしたことは無い。他人からは見えないその印は名前は俺のものって印。そう言ってニカッと笑った彼の顔を思い出す。


*****


「よし、書けた」

「ありがとう!」


 他人から見えない印もいいけど、見える印も欲しいなあ。そんな気持ちは我が儘になるのだろうか?邪念をパッパと振り払いコーヒーを飲んでいるレンに手招きする。


「なに?」

「膝枕、してあげる」

「ほんと!?やったね!」


 久しぶりに彼がはしゃいでいるのを見て、自然と笑みがこぼれた。何笑ってんの、と彼はふてくされた声色で言ったけど、わたしは別に〜と返した。


「いつもよく頑張ってえらいえらい」

「な、なんだよ急に」


 恥ずかしいのかそっぽを向いているけど、今の状況じゃ全然意味がない。耳が真っ赤なのがまるわかりだ。レンは見るな!と言ってわたしの目を彼の手で覆ってしまった。見えないよーレン、なんて口だけで反抗してみるも次の瞬間には口を塞がれていて、反抗する気も失せた。コーヒーの味がする、少し苦いキスだった。




消えるもの、

どうか、このぬくもりだけは消えないで。




□□□□
イケレンです、ふう。ずっとVOCALOIDSの話書きたかったんだよね!勿論この妄想思いついたのはテスト前だよ!VOCALOIDS可愛い^///^VOCALOIDSシリーズ書きたいくらいです(●´ω`●)ぐみちゃんらへんとかさーVOCALOIDS同士の絡みとかさー。ドラマの話とかさー。PVも人気ってことですよねわかります。今日ミクメンバー探し行ってくるから!お前1人じゃ危ないから俺も行くよ!KAITO兄さん、ミク姉ちゃんと守るんだよ!わかった!?わかってるよ!(゚ω゚)みたいなの楽しい\(^0^)/
あれなんだよね、これの夢主ちゃんはちょっとリンに嫉妬してるんだよ、レンといれる時間が自分よりも長いから。でもレンと一緒にいるとそんなことどうでもよくなっちゃうんだって!可愛いね!おまいら末永く爆発しとけ
しかしながら、詰め込みすぎた感が否めない…_ノ乙_(、ン、)_

111016

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