「まこっちゃーん!」
「……客か」
「ど、何方ですか…?」
いつも真とヒナノがいる部室に向かってみれば知らない男の人が1人、インコの本を読みながら寛いでいた。
頭はボサボサ、何故か中学校の制服を着ていて(もしかしてコスプレ…?)足元では小さな犬がうろうろ。いつから犬なんて飼ってたの?
「お前今失礼なこと考えただろ」
「いえ、滅相もない!」
ふ
会話なんて続く筈がなく、この人は本に夢中(なのか?)でわたしは椅子の上で正座。沈黙が重い、重すぎる…!真でもヒナノでもいいから早く来てくれっ!
ガラララッ
「ひなのぉっ!」
「うわっ」
扉が開かれた瞬間わたしはヒナノに抱きついた。真はわたしの隣でぽかーんとしている。
「なんだ、先輩か」
「だ、誰なの、この人」
「あのー、前の中学の怪談になってる2-Aの四ッ谷先輩」
「そんな適当に説明されても!」
ていうか怪談になってるってどういうことなの!説明不足すぎて意味わかんないよ真!
「静かに」
その、四ッ谷先輩とやらが人差し指を口に当て、一言口を訊いただけでその場が静まり返った。
「昔、とある学校の一番後ろの窓側の席に、沢山の花が入った花瓶が置かれていました」
急に物語口調になった先輩とやらの声は、聞きたい訳でもないのに頭に直接入ってくるようで、先輩から目を離すことができない。
「その席には誰だったか、誰かが座っていた筈なのに名前が出てくるだけ。どんな子だったかも皆の記憶には曖昧なのです。皆口々に言うことは全くもって一致せず、海外に留学に行くだとか、はたまた近い内に親戚が死んだとか色々な言葉が飛び交っておりました。ある日その教室の生徒が放課後忘れ物を取りにくると、いなくなった生徒が、頭を垂れて、
そこに座っていたのです」
「きゃあぁああぁぁぁあ!」
「ナイス悲鳴頂きましたー!」
「へ、あれ?」
「それ先輩の昔話じゃないですかー」
「昔話って!?え!?」
「俺は悲鳴の為に怪談を作る。世界の悲鳴は、俺のもの!」
「つまり平たく言うと変態ってことね」
「なにをぅ!」
もう何も言えない…。
もしもし。
凄すぎる変態に会ってしまいました…
□□□□
語りが下手くそすぎて死にたい。書いたのは日本時間::12/03/26 6:03
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