廉造はん
お元気しとりますか
私は元気です
7月の4日で、廉造はんもまた1つ大きくなりますね
お誕生日おめでとうございます
廉造はんのいない生活は少しばかり寂しいですが、そんなことばかり言っていられませんよね
たまにはこちらにも顔を見せて下さいね
柔造はんも金造はんも心配しとりましたよ
坊や子猫はんに迷惑かけすぎんよう気をつけて下さい
それでは、この辺で失礼します
名前


紺色のペンで書かれた彼女からの手紙が届いた。俺は、昔から彼女の流れるような字が好きやった。


「志摩何手紙見てにやけてんの…気持ち悪」

「気持ち悪いとか言わんといて。────もしもし、名前?手紙届いたで。ありがとうな」

「誰…?」

「廉造さんが向こうに置いてきた彼女さんの苗字名前ちゃんですよ」

「そういやーお前は聞いてなかったよな」

「志摩が遠恋!?有り得ない有り得ない有り得ない有り得ない」

「有り得なくないわこのドアホが」

「志摩君だって好きになったら一筋なんですよー」


名前が携帯を持っていないから手紙でよこしたゆう訳やない。現に俺は名前の携帯にかけている。
名前は昔からのしきたりを重んじる人や。俺が頭ピンクにした時もガミガミと説教を受けた。そういう人や。だから俺の誕生日ゆう特別な日に手紙を書いたんやと思う。


「零時に電話して欲しかったなあ」

『な…!そんなん廉造はんに迷惑かかると思って、』

「嘘や。いや、電話して欲しかったんは嘘やないけどな」

『廉造はん…』

「今こうしてお前と話せるゆうだけで俺は幸せや」

『わたしは、…』

「わたしは?」

『やっぱり何でもない!お誕生日おめでとう!』

「何でもないは無いやろ───て、切られた」


相変わらず可愛らしいなあ名前は。だから少し苛めたくなるんや。好きな人程苛めるとかなんとかゆう言葉があるけど、まさにそれやな。


「志摩君、名前さん何て?」

「恥ずかしがって電話切られてしもたわ」

「志摩、お、お前の彼女って…どんなだ?」

「そりゃあもう別嬪さんや」

「坊のところの旅館で働いてるんですよ」

「へえ」

「何や、奥村君気になるん?」

「そりゃあ、ちょっと」
「奥村君には杜山さんがいるやろ」

「そそそそんなんじゃねえよっ!」


名前、今度そっち行ったら真っ先に会いに行くからな。




□□□□
はいー遅刻ー。またもやエセ京都弁ですよー。もう難しいわ。若干この続きの話が出来てるんですが書くかどうか迷っている次第です。志摩、おめでとう。

110710

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