「名前さん」
「わっ黒子!試合お疲れ!」
試合終了後、僕はすぐ彼女のところへやってきた。いくら彼女であっても僕のことを発見するのは難しいらしく、よくキョロキョロしているのでこちらとしては探しやすい。僕を探している不安そうな顔や彼女を見ているのも楽しいですけど、ね。
「試合中でも黒子ってどこにいるかわかんないんだよね、パスの時だけはわかるんだけど」
「黒子っちお疲れっス」
「……何でいるんですか」
「いちゃ駄目なんスか!?」
ひどいっスよ黒子っち!と言う黄瀬君を横目に名前さんをじっと見る。?を浮かべているように首を傾げる彼女……何で2人一緒にいるの ?
「黒子っちの位置がわかんないって言うから俺が教えてやってたんスよ」
「そうなんですか?」
「え?うん。試合中解説してもらったの」
「黒子っち俺のこと信用してないんスね……」
苛々する。苛苛苛苛苛苛苛苛苛苛苛苛苛苛苛苛苛苛苛苛苛苛苛苛苛苛。名前さんは僕のなんだから他人と話すなんて認めてないのに。
すると名前さんはタオルで僕の頭を拭きだした。わしゃわしゃと。頭が少しぐわんぐわんするなあとか思いつつ、汗まみれだったのも事実だったからまあいいか、なんて思う。タオルの隙間から名前さんを盗み見れば綺麗な顔で笑っているものだから苛々していた気持ちもどこかへいってしまった。
渇いた笑顔のピエロ
(そして涙)
「サイン欲しいっスか?」
「いらないよ。あ、でも友達でファンの子いたなあ…とりあえず10枚書いて」
「そんなに書くんスかぁ〜?」
「(やっぱり後でお仕置きしなきゃ)」
□□□□
彼女でも黒子を見つけられないから僕だって黒子でいたくない時があるっていうのを書きたかったのにどうしてこうなった…/(^0^)\あと黒子じゃなくて本当はテツヤって呼んで欲しいんだけど言わないし、強制しないとかね。
黒子ってこんな奴じゃないよねわかってる!妄想ですはい。普段大人しい奴とか恋愛だと絶対性格変わるだろって思うんですよ。それだけ。
110324