『もっしもーし?』
「おお、名前か。なんだ?」
『クイズでーす!第1問。わたしは今何処にいるでしょーう?』
「…サンシャイン通りとか?」
『ぶっぶー、ハズレ!わたしがいる所だよ?わたしが居そうな所だよ?』
電話がかかってきたと思ったらいきなりクイズを出してきた。暇そうだなコイツは。学生が昼間から何してんだ。
「家?」
『えっ…わたしってドタチンの中でヒッキーだと思われてんの!?無い!それは無いよドタチン!わたしアウトドア派だから!』
「何がしたいんだお前は」
『ドタチンに会いたい。』
「は?」
『だから、』
『「会いに来ちゃいました」』
一呼吸置いたと思ったら、ワゴンの上から顔を覗かせた。…確かに名前らしいわ、思いつかなくて。
「ちょっと空けてよ」
開いた窓からそう声がかけられたからとりあえず窓を全開にして、俺は運転席の方に気持ちずれた。
「よいしょっと」
「おお!流石名前さん!」
「久しぶりだね名前」
「久しぶりー、狩沢に遊馬崎に渡草」
体をするりと滑り込ませてワゴン車に入ってきた。相変わらず器用だよなあ。というか…
「いつから上に居たんだよ」
「それは企業秘密なので教えられませんっ!」
「名前は企業じゃなくて人間だよー」
「知ってるよ、わざと言ったの。うーんそうだなあ、じゃあプライバシー?」
「そうだね」
狩沢とどうでもいい話をしている。もう俺今日はツッコまなくていいかなあ?名前いるとさらに大変なんだよな。何しに来たんだ本当にコイツ。
「何しに来たって、今日はドタチンに話があって来たんだよ」
「…さらりと心読むなよ」
「名前さん読心術使えるんすか!?すごっ」
「別に使える訳じゃないよ。ドタチンがわかりやすかっただけ」
「なんだー名前さんもこっちの人間だと思ったのに…」
「で、ドタチン」
「なんだよ」
「わたしのことどう思う?」
「池袋よくいるのに何で池袋に住まないのかって思う」
「それは折原を探る為だよ!」
「臨也もよく池袋いんじゃん」
「違うのあいつのプライベート!この前盗聴器仕掛けてきちゃった」
「きちゃった…じゃねぇよ。何してんだよお前」
「もうこれで三回目。いつも全然情報どれずに見つかって外されちゃうんだよね…」
「程々にしろよ。てか何処でそんなの学んだんだ」
「張間と作戦会議よくするし」
「…とりあえず、臨也は敵にしない方が身のためだから気をつけろよ」
「ドタチンわたしのこと心配してくれてるの!?優しいね」
「本当に気をつけろよ?」
「えってもドタチンがわたしのこと守ってくれるでしょ?」
「……」
「じゃあねっ!」
「っ、お前、また上あがんのか?」
「え?うん」
「スカートの中見えるぞ」
「やだなあドタチンの変態。見えてもいい奴履いてるから大丈夫だもん」
頬にリップ音を残してまた上にあがりやがった。「あっセルティ!」そう聞こえた次の瞬間にはもうセルティのバイクに乗っていて、あいつも充分池袋のヤバい奴に入るんじゃないかと思った。
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読心術とか出てくるラノベって何ぞ!(゚ω゚)
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