「宿題出してー」
「やってない〜…」
「甘えないの、全く」
「やらなきゃいけないのはわかってるけど…!でもなんかやる気でないんですもん…」
「まあ、わからなくもないけど」
沢田綱吉さん。高校生からのわたしの家庭教師だ。因みに今は大学生。綱吉さんはとってもかっこよくて、初めて家に来たその日のうちに先生はこの人しかいない!と思った。お母さんも気に入ったようで、綱吉さんがいるときは機嫌が良い。
「そんなんじゃ行きたいとこ行けないよ」
「うぅ〜…」
わかってる、結果が出るまでは怠けちゃいけないことは。でも、最近学校で立て続けに行事があったから気がどうしても緩んでしまうのだ。なんて、言い訳になっちゃうけど。
わたしが曖昧な感じで答えると綱吉さんは少し考えて、そして言った。
「じゃあ、第一志望受かったら、どっか連れてってあげようか」
「いいんですか!?」
「うん。2人っきりで。どう?」
「……はい!やります!!」
2人っきりで何処かに行く。つまり、デート…!?綱吉さんに密かに想いを寄せているわたしにとってはこれ以上ないプレゼントだ。
「じゃあ今日から更にスパルタ教育だからね」
「えっ…」
「何か文句でも?」
「…ない、です」
「だよね。よし、やろう!」
たまに降臨するブラック綱吉さんには絶対に勝てない。と、いつも思う。わたしの心は顔文字でいう(´・ω・`)ってかんじ。飴とムチの使い方うまいなぁ…
120226
ずっと携帯の中で眠ってたやつ。どうでもいい情報だけど、私が受験の時その時カテキョの先生だった女性の大学生にディズニー連れて行ってもらう約束したのが元ネタ。気が向いたら続き書く。