「おっそい!」
「うっせぇ!」
じゃあ待ってないで勝手に帰ってろって言われた。何よ、本当は待って欲しい癖に。このツンデレが!
「ばーか。はいポカリ」
「お、さんきゅ」
500mlなんて彼にとっては何でもなくてすぐ飲み干してしまう。それも一気飲みで。その、喉を慣らして飲む姿がわたしは好きなのだ。汗も滴る良い男、みたいな。言い過ぎか。でも、その部活後の一気飲みがわたしは好きだ。言ってやらないけど。喉を鳴らす姿は異様にかっこいい、と思う。
「飛、」
「あぁ?」
「キスしよ」
「何で」
「…いつまでこんな関係なのかと思って」
「何、俺が好きな訳?」
「知らなかったの?」
「いや」
「じゃなかったらこんなにポカリ貢いでないよ」
「そう、だな」
あー、変な空気になっちゃった。したのはわたしか。でも、だって、もう面倒臭くなったんだもの。見え透いた好意とかさ。
「名前、」
「ん?」
くるってわたしを飛雄の方に向かせて、上からわたしを覆った。うわー、いきなり噛み付いてきやがったコイツ。でも、わたしも満更じゃないから舌を絡ませる。ねえ、今何考えてる?
「付き合おっか」
「いいよ」
夕暮れがわたし達をオレンジ色に染めた。
静かな夕日
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飛雄ってなんか堅苦しい感じがして呼びたくないと思ったからとびって呼ぶのどうですかね?本日二つ目の飛雄くん。同じくキスネタ。
120724