「はぁ、疲れた」

「おかえりー名前」


 クオこと初音ミクオは、半年前から同棲している男の子だ。まぁ、ボカロを同棲なんて言うのは可笑しいかもしれないけど。ボカロの癖に生意気で、わたしのことをマスターではなく名前で呼ぶ。マスターって呼ばれるの夢だったのに。


「おやつ、ドーナツあるけど食べる?」

「食べる食べるー!」

「珈琲でいい?」

「うん!」


 そんなことを言いつつも、わたしよりも気が利いてよく働く良い子だから憎めない。


「今日はなんかあった?」

「いやー、特には」

「なーんだつまんね」

「つまんなくてすいませんね」


 口が悪いところもあるけど、やっぱり良い奴なのだ。なんて親バカ?


「普段名前がいないときは外出れないんだからさーもっと情報仕入れてきてくれないと」

「情報って…。どこぞの情報屋だよ。というか外くらい普通に出ればいいじゃん」

「女子がたかって歩けやしねえよ」

「あぁ…」


 そういえば前そんなことがあったわ。わたしがいるのにも関わらず街でブラブラしてる女の子達が群がってきたんだった。わたしが不釣り合いだからなんだと思うけど。でもさあ!クオがイケメンなのは認めるけど、だからって彼女近くにいるのに集まるかって話であって!


「あーでもたまにはいいかもな」

「何で!?」

「名前の反応が面白いから」


 そう言ってクツクツと笑う。なんだこいつ。わたしを笑うなんざ良い度胸じゃないの。


「勝手にすれば」

「俺が悪かった。ドーナツ食べて機嫌直せ」

「もうクオなんて知らないし」

「拗ねんなよ、ごめんって」


 まるで悪びれた風ではないのに、頭の上の大きな手が優しくてどうでもよくなってしまった。


「じゃあ1人で外出とかしないでね」

「うん」

「わかったらちゅーして」

「仰せのままに、お姫様」


 きっと頭の中では我が儘な奴だ、とか思ってるんだろうけど、彼自信も満更でもないようなので、これはこれで。




いつものしあわせ

□□□□
なんかクオのこと考えてたら久しぶりにたぎってしまってずっと放置してた奴の続きをばばばーっと書いた。クオはヒロインちゃんを迎えに学校の校門で待ってて、それを知らずに出てきたヒロインちゃんが見たのは女の子に囲まれてるクオ…!て感じでショック受けて嫉妬すればいい。そしてクオはヒロインに怒られればいい。ヒロインは泣いて怒ればいい。そんなヒロインをクオは可愛いなぁとかって思ってればいい。

120521

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