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「ルプラ!!レギュラスくんと私を連れて姿くらましを!!我が屋敷の倉へ!!」
レギュラスくんは衰弱し切った姿だった。閉じられた目元には涙が伝っていた―。
レギュラスくんとはホグワーツで出会った。
私の家は純血で名高い名家だった。私はクウォーク家の長女だ。似たような家の境遇から私とレギュラスくんは直ぐに親しくなった。そして私達は家の仕来たりに添うように,スリザリンの寮に入り,当たり前のように,死喰い人なり,我が君に傅いた。
しかし―…
どうして一体こんなことに…!
屋敷しもべに命じてレギュラスくんを湖から引っ張り出し,姿くらましをさせた。ここは私の屋敷の倉だ。言わば物置になっているここは,屋敷しもべ達しか来ない
レギュラスくんの体を起こしながら息を確認する。
「…まだ息はある… リナベイト!蘇生せよ!
…ルプラ,クリーチャー…クリーチャーはいなかったのか?」
「私達がくる直ぐに前に姿くらましをしたようです。プリム様」
キーキー声でルプラは答えた。
ルプラは我が家の屋敷しもべだ。屋敷しもべは家に10人ほどいるがルプラは私が小さな頃から私のお世話係のような存在だった。
「そうか…。よしルプラ,ここを去ろう。ありったけの私の小遣いとおやつ及び食料と…とりあえず荷物をまとめて去るのだ。」
「プリム様…!しかし…!」
ルプラの大きな目には動揺の色が見えた。
「命令だ。ルプラ。」
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