1
「別れましょう」
もう終わりにしよう
最初から
この日がやってくること
分かっていたはずなのに
2.別れを告げるその時が
It's time to say good-bye.
「…あのね,この間ね、カペラとホグズミートに行ってきたの!」
「…それでねハニーデュークスで面白いお菓子があってね…」
「…スピカ」
「今度レギュにも買ってくるね!」
「スピカ
聞いてください。」
「…嫌。
嫌だ聞かない!!」
「スピカ」
レギュラスは静かに言う。まっすぐに私を見た。
「……っ。」
スピカの様子は駄々をこねる子供のようだった。そんなスピカが愛おしい。そう思う自分を苦々しく思った。駄目だ,決心が鈍ってしまう。
深呼吸をしてから僕は彼女にこう言った。
「別れましょう」
僕はスピカに別れを告げた。
俯いたまま絞り出すようにスピカは言う。
「どう…して?」
「……。」
僕は黙りこんだ。言葉を探していた。何て言ったらいいか分からなかった。
今思えば,「ほかに好きな人ができた」とか「忙しくて会う隙がないから」とかもっと上手い嘘をつくことが出来なかったのかと思う。でも不器用な僕はとてもそんなことは出来なかった。
スピカはまた絞り出すように喋りだした。
「…レギュが…
死喰い人になったから?」
僕は黙っていた。何も言えなかった。それは,さっき質問されたときの言葉を選んでいるとき沈黙とは違う,肯定の意味の沈黙だ。
「私…信じてた。」
「レギュラスは"こっち側"に来てくれるヒトだって…!」
「…それはスピカの勝手です。勝手にそう思っていただけです。」
「だからスピカとはもうおしまいです。
死喰い人と不死鳥の騎士団は恋仲にはなれません。
スピカはまだ騎士団ではないですが,
入るつもりなのでしょう?」
ホグワーツを卒業したら…
きっと兄さんも一緒に。
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