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「セブルスって死喰い人だったんでしょう…?なんで騎士団になったの?」
我輩は面を食らった。そうスピカが聞いてきたのは,不死鳥の騎士団の会議が終わった後だった。騎士団が再結成し,グリモールド・プレイス 十二番地に本部を構えたばかりのことだ。
「…なぜ貴様はそう人が聞きづらいことをズバズバ聞けるんだ?」
「ううんー…なんで急にヴォルデモートからダンブルドアに寝返ろうと思ったのかなぁ…と思っただけ!…単なる好奇心。ごめんなさい、言いたくないなら、いいの。急に失礼なこと聞いちゃったね。」
なにも恐れることなく闇の帝王のその名前を口にするのは、彼女が紛れもなくグリフィンドール寮生だったという所以なのだろう。
…ただの好奇心…だけではなく,他にもっと聞きたいことがあるのだろうということは直ぐにわかった、が我輩はそれを敢えて無視することにした。
「…あと,あとねセブルスはシリウスの弟のこと…レギュラスのこと…知ってるかな?って思っただけ!」
「噂には聞いているが,よくは知らない。」
レギュラスのことは知っていた。学生時代の頃から。顔は我輩と犬猿のあいつによく似ていたが,中身は似ていなかった。でもきっとスピカが聞きたいのは死喰い人になってからのレギュラスのことだろう。
「レギュラスとはね…幼馴染だったの。シリウスともだけど。ごめんね。どうでもいいこと話しちゃったね。」
“幼馴染”と言う言葉を聴いて,我輩は自分の幼馴染を思い浮かべた。深みがかった赤毛,アーモンド型の緑色の瞳―…リリー。
グリフィンドール寮生とスリザリン寮生の幼馴染―…
…闇の帝王を裏切って死んだレギュラス―…(我輩も詳しいことは分からないが…)
スピカとレギュラスの関係も我輩とリリーの関係と似たようなものだったのだろうか?
ため息をついたスピカを見てそんな風に思った。
…スピカに話せなかったことがひとつだけある。
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