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「セブルス・スネイプ!だぁ!」
無意識のうちに散らばっ羊皮紙やら教科書などを拾っていたら
突然名前を叫ばれ驚いた。
名前を呼ばれて,顔を上げて,彼女の紅と金のネクタイに気づいたころには,もう,ものを全部拾い終わっていた。拾わなきゃよかった。
「これで全部だな。では。」
「あっ!まって!拾うの手伝ってくれてありがとね,セブルス!」
彼女はふわっと笑った。
いつも周りから僕に向けられている嘲笑とは全く違う,柔らかい微笑みだった。
「別に。礼には及ばない。」
「少し,あなたとお話してみたいなって思ってたの。
シリウスたちは寄って集ってあなたのこと虐めてるけど,リリーは庇ってるし,悪い子じゃないんじゃないかな,って。」
なんといったらいいか分からずに返答に困った。
「また今度シリウス達に虐めやめるよう言ってみるね!」
「…それはどうも…有難う…?」
「うん!…でもセブルスも…闇の魔術…それやめた方がいいと思うよ」
それだけ言うとやばい!次の授業始まっちゃうね!またね!と言い捨てて、彼女は行ってしまった。
嵐が去った。何だったんだ…?
一方的に捲し立てられ,しばらく固まってしまった…いけないいけない,次の授業に急がなければ。
それが、スピカ・ホワイトと初めて話した時だった。
彼女の嵐のような一方的な言動に驚きはしたが悪い印象ではなかった。
その時は名前を聴いておらず,スピカ・ホワイトという名を知ったのは不死鳥の騎士団が再結成されたときだった。
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