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「家に帰る!?本気なの!?なんでいきなりどうして…!」
隠れ家に一緒にいた騎士団のメンバーに話すと
真っ先に食いかかってきたのはスピカだった。
「…レギュラスが…弟が…亡くなったそうだ。」
スピカはショックを受けた様子だったが泣き出しはしなかった
みんながいなくなってからスピカは俺に向かって言ってきた
「レギュラスが亡くなったって本当なの?」
「わからない」
「わからないってどういう…」
「亡骸は見つかってないそうだ
…クリーチャーが…家の屋敷しもべだ…
屋敷しもべが何か知っているようなんだが…
何も屋敷しもべは話さない
否,話せないのか」
「話せない?」
「きっとレギュラスに命令されてるんだろう
誰にも話すな,と」
「で,俺になら屋敷しもべが何か話すんじゃないかって
俺が呼ばれた訳だ。」
「そっか…」
そう言ってスピカの表情は固く,険しくなった
レギュラスに何があったんだろう…レギュラスは何も言ってくれなかった…シリウスにも…私にも…
「スピカがそんな顔する必要ない
あいつは愚かだったんだ」
シリウスは何の感情も込めずにそう言った。
大好きだった人が
亡くなったのに
私は涙のひとつもでなくて…
わたしこんなに薄情な人間だったかなっと思った
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