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「…トンクス,セブルスに薬はもらってあるし,大丈夫だ。だから,私に構わないでくれ。」
リーマスは少し強い口調で,少し乱暴に言った。
それでも彼女はぶんぶん首をふった。
「…どうして君はそんなに私に構うんだ…!?」
リーマスに似合わない乱暴な口調だった。
「…だって…リーマスは…」
アタシのすきなヒトだから
トンクスはその言葉を飲み込んだ。
「だってじゃない…!ひとりになりたいんだ!!いいからもう放って置いてく…」
「放って置けないよ!」
リーマスが言葉を言い終わらないうちにトンクスは言った。
「放って置けない!!リーマスのこと,好きだから!」
さっきは飲み込んだ言葉が
勢いで零れ落ちた。
遠くでふくろうの鳴く声が聞こえる。
みんなの寝息が聞こえる。
ふたりの声は,かなり大きくなっていたが誰も起きた人はいないようだった。
二人はしばらくの間固まったままだった。
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