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十三夜の月。
月明かりで照らされた部屋。
あなたは息を殺していた。
頬には光る涙が見えた。
月の下で
under the moon
「泣いてるの?」
満月の近い夜。
彼は部屋で電気もつけずに,ひとり,涙をながしていた。
リーマス・ルーピン。
そんな彼を見つけた彼女,ニンファドーラ・トンクスは堪らなくなって話しかけた。
彼は少し吃驚した様子だった。
「…吃驚した。もうみんな寝てしまったんだと思ってた…。」
「なんだか眠れなくて」
苦笑しながら彼女は言った。そう言う彼女の目も少し赤くなっていた。
「…君も泣いていたの?」
「…うん,…シリウスは母さんとも仲良かったし,騎士団に入ってからもよくしてくれたし,それに一緒に戦った仲間だから」
「…仲間…」
そう言ってリーマスは黙り込んでしまった。なにか考えてるようだった。
遠くで鳴くふくろうの声さえ聞こえてきそうな沈黙。
「…ごめん…トンクス…ちょっと人と話せる状態じゃないんだ…
しばらくひとりにしてほしい
彼は痛切にそう言った。
「…だ」
「え?」
「…嫌だ。リーマスをこのままひとりにしていくなんて嫌だ。満月も近いし…弱ってるリーマス放っておけないよ。」
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