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神様,サンタさん,カボチャの馬車も

ガラスの靴も

(綺麗なドレス…は要るけど…)

クリスマスプレゼントも我慢します。

だからひとつだけ。
ひとつだけ叶えてください。






3.シンデレラ・クリスマス
Cinderella Chrismas





「ダンスパーティ?」
「そうよ,アークチュルス先生が提案したんですって。」

それは四年生になったときの息が白くなる季節のこと。

今年は新任の先生の趣味でクリスマスにダンスパーティを開くらしい。

「リリーはジェームズと行くの??」
「行くわけないじゃない!!」

「の」を言うか言わないうちにリリーが答えた。あんまりにも即答だったから私は笑ってしまった。

「誘われたけど丁重にお断りしたわ。」
「じゃあ誰か他の人と?」
「…私クリスマスは帰るわ。家に。」
「えっ?じゃあリリーはパーティに出席しないの!?」
「そうよ。強制参加ではないんでしょう?」
「でも,折角のパーティなのに…。」

「煩い人がパートナーになってくれってまだしつこいの。他の人と行ってもそれはそれで煩いでしょ?それにあの様子じゃあ彼,私のパートナーに呪いをかけちゃうかもしれないわ。」
「…確かに。」

ジェームズならやりかねないなぁと思った。それは気の毒でしょ?と,リリーと私は苦笑いをした。

いつもはスカスカのクリスマスにホグワーツに残る希望リストにぎっしり名前がかかれていた。
私もいつもクリスマス休暇は家に帰っていたけれど,今年はリストに名前を書くかどうかまだ迷っていた。

…レギュラスと踊れたら素敵だけどなあ…。誘ってみようかな。でも誰かほかの人が先に誘ってるかもしれないし。…
そんなことをぼんやり考えていた。




「スピカ、俺とダンスパーティ行かねぇ?」

自分の世界に完全に入っていた私は一瞬なんて言われたのか理解できなかった。
「だから俺とダンスパーティ行かねぇ?って…。」

何度も言わせんなよ、なんか照れるだろ、と、シリウスは,はにかんだ。
私は少しだけ考えて返事をした。
「…うん,いいよ!一緒に行こ。」
「シリウスがスピカにOK貰ったぞー!」
「ヒューヒュー!」
「…っるせぇっ!」

シリウスを周りの男子が冷やかす声が聞こえる…。

レギュラスのことが頭を過ぎったけど、もし誘ったとしてもOKの返事をもらえるかわからない。それにシリウスって結構プライド高いし,ここで断ったらシリウス,プライド傷つくだろうし。うん,OKしてよかったんだ。
私は自分で自分を納得させた。





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