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彼女が僕に微笑むから

僕は何も言えなくなる

まるで魔法にかかったように








2.さようならと言えなくて
I cannot say good-by.








「レギュラス私のこと思い出した!?」
「思い出しましたけど…。こんなとこで転ばないでください。」

よかった,よかったぁと彼女がはしゃぐ姿は幼い子供のようだった。
僕は溜め息をついた。

「まぁ,入学してまだ数日ですから,動く階段に慣れてないのも仕方ないですけど。僕もなれてないですし。」
「…私入学して数日じゃないよ?」
「…は?」
「私,ニ年生だもん。レギュの一個上!」
「……。」
「…今,レギュ,全然一個上に見えないとか思ったでしょ。」

じゃあ,転ばないでくださいよと僕は思っただけなのだけれど。
失礼しちゃうわー
と彼女は頬を膨らませる。
…なんだこの人。勝手に喜んだり,怒ったり…百面相。…面白いな。

「…ぷ…くくっ…。」
「あ,笑った。今笑ったよね!」
「笑ってません。」
「まぁなんか失礼なことで笑われた気がするけど。」

彼女は拗ねたようにそう言ってから

「でも,レギュ,笑った方がいいよ。眉間に皺寄せてるより全然いい!」

彼女は急に笑うから,僕は少し胸が高鳴った。

「あっもうこんな時間だ!私行かなきゃ!もう行くね。またね。」

さようなら,もう会うことは無いでしょうと彼女に言いたかったのだけれど,彼女がまたねと笑うから,僕は何も言えなくなった。




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