6
レギュは思い付いたようにこう切り出した。
「……ちょっと来てください。」
「?」
レギュに手を引かれて8階の廊下に連れて来られた。何の変哲もない,石壁の前だった。
「ここで三回歩き回りながら,僕に会いたいと強く思ってください。」
「…?会いたいって…レギュは今ここに居るじゃない。」
「…細かいことはいいですから,会いたいでも一緒に居たいでもなんでもいいですから…」
「…レギュと一緒に居たいって強く思えばいいのね?」
「…ああもう!何度も言わせないでください!」
…恥ずかしいですから!と拗ねたように言うレギュが可愛くて笑ってしまう。
レギュの言う通り強くレギュのことを思い浮かべ三回歩き回る。
すると,
石壁にピカピカに磨き上げられた扉が現れた。
扉を開けて中に入る。
…なにこれ…すごい…!
「…必要の部屋です。本当に必要なときだけ部屋に入ることができる。」
すごいね!すごい!とスピカは子供のようにはしゃいだ。
「…週末にここに来てください。ここで会いましょう。」
そう言ってレギュは私を抱き寄せる。
「………それ以外は?」
「話しかけないでください。…なるべく。」
突き放した言い方に不安そうな顔をする彼女を見ると,つい“…なるべく“と言葉を濁してしまう。
「スピカ,念のためもう一度言っておきます。僕と会っていることは…」
「誰にも絶対,内緒,でしょう?」
私はレギュを抱きしめ返した。
あなたの体温が
鼓動が
伝わってくる
あなたがここにいる。
それだけでとても
とても幸せ
レギュラスは唇を私の唇に軽く押しあてた。
目眩がするくらい
あ な た が す き
A dizzy love
The Happy End
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