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さあ

声に出して

伝えよう

4.君が好き
I love you


ダンスパーティーの日はいろんな事がありすぎて頭が少しグルグルしていた。

シリウスのファンクラブ(?)の達に閉じ込められて吃驚したけど,レギュラスが助けに来てくれて嬉しかったなぁ。レギュのドレスローブ姿はすごく綺麗でかっこよかったなぁ。
…とか。

あの娘達は私のことどう思ってるんだろう,とか,レギュラスは私のことどう思ってるかな,とか。
あれ?結局私レギュラスのことばっかり考えてる気がする。
と,とにかくいろんな考えが頭をグルグルして,知恵熱でも出そうな感じだった。


…でも,まずは…




「シリウス,ごめん!」



シリウスがダンスパーティーの日から全く口を聞いてくれない。私がパーティーをすっぽかしたからだ。まずは,シリウスに謝らないとだ。

「…まだ怒ってる…?よね…?」

シリウスは相変わらず黙ってそっぽを向いていた。怒ってるっていうより拗ねてるって感じだ。
諦めずに何度もごめん!と謝ってみたけど,シリウスはつーんと澄ました顔をしただけだった。









はぁ。どうしよう。溜め息をついたその時。レギュラスが前から歩いて来るのが見えた。

「レギュラス,おはよ!」

「…スピカ。おはようございます。今日も元気ですね。鬱陶しいです。」
「…酷くない?」
「無理して空元気なのが鬱陶しいって言ってるんです。」
「…」

確かに頭グルグルしてて,シリウスは口聞いてくれなくて,朝から元気…ではないかもしれない。

「…言ってないんですか。兄さんに。」
「え?」
「ダンスパーティーの日のこと。」
「…?…レギュと厨房行ってたこと?余計に怒りそうだけど…」
「違います。その…閉じ込められたこと…。」
「言わない。」
「なぜですか?」
「…だってそんなことしたら,あの娘達,困るでしょ?」

レギュはすっごく大きな溜め息をついた。おーい幸せ逃げるぞー。って私も人の事言えないけど。

「…馬鹿ですか?向こうから,困るようなこと,されたんじゃないですか。御人好しなのも大概にしてください。」
「うぅ…そうかもしれないけど…。レギュもシリウスに言わないで。お願い。」
レギュは何だかまだなにか納得してない顔だったけど,お願い,と念を押したら其処まで言うなら分かりましたと了解してくれた。




とりあえずもう一回シリウスに謝りに行ってみようか。そんなことを考えてた。

「スピカ・ホワイト!」

いきなり名前をフルネームで呼ばれて吃驚した。

…誰?あれこの声どこかで…あ

「…確か…確かカラぺさん!」
「カぺラよ。」

ツンツンっていうかトゲトゲした口調でカラぺさん…じゃなかったカぺラさんは言った。

「…シリウスと喧嘩してるんですって?」
「喧嘩っていうかシリウスが一方的に怒ってるっていうか拗ねてるっていうか…。」
「言えばいいじゃない。」
「え?」
「私達にトイレに閉じ込められた,って言えばいいじゃない。」
「…言わないよ。」
「なぜ?」

「…だってみんなシリウスが好きだからやったことなんでしょう?」
「…あなた馬鹿なの?ほんっとに御人好しね。」
レギュにもおんなじようなこと言われたなぁ。
「このままじゃシリウスと仲直り出来ないわよ。良いわけ?」

「…ふふ,そっちこそ,そんなこと言っていいの?私がシリウスに本当に言っちゃうかもしれないよ?カメラさん。」
「カぺラよ!!…そりゃ困るし,私にはあなたがシリウスに嫌われようが関係ないけど…。」
「…御人好しだね,カプラーさんも。」
「…あなたわざとやってるでしょ?…っていうか,あたしはこんなことを言いに来たんじゃなくて…。」

そう言ってカバラさん…じゃなくてカぺラさんは口ごもった。

「あの時のことは…その…わわ悪かった…わ。あの時,レギュラス・ブラックに言われて目が覚めたの。…他の娘達にもあなたにはもう何もしないようにって言ってあるから。
別にこれはあなたの為に言ってるんじゃないんだからね!けじめよ!けじめ!……,じゃあねっ!」

顔を真っ赤にしてそう言う彼女はとても可愛らしかった。すごく,からかいがいのある娘だ。…ツンデレだよなぁ。

「,シリウスは大切な幼馴染みだけど,友達なだけだよ。」

行ってしまいそうになったカぺラさんに私は話しかけた。カぺラさんは私に背を向けたまま,後ろ向きのままだったけど答えてくれた。

「…別にあなたの気持ちは関係ないと思うわよ。…」

「え?」

その後カぺラさんは何か言ったみたいだったけどゴニョゴニョっと言っただけだったから何て言ったかわからなかった。
「…カぺラさんはシリウスに告白しないの?シリウスに近づきたいんだったら私を閉じ込めるよりずっと簡単だと思うよ?」

カぺラさんは溜め息をついてこう言った。

「呼び捨てでいいわ。あなた,御人好しの上にお節介なのね。」

そしてカぺラは振り返ってこう言った

「じゃあ言わせて貰うけど,あなたはレギュラス・ブラックに告白しなくていいわけ?」

またカぺラは背を向けて,じゃ。と手をひらひらして行ってしまった。

え?

え!?

私バレバレ!?

バレバレなんですか?私っ!!



「シリウスはあなたのこと…」

あなたのことがすきなのよ

…でもこれはあたしから伝えることじゃないわね。

あたしはあの時そう言ったの。言ってから言ったことを後悔した。

スピカ・ホワイトに聞こえてないことを祈った。

御人好しかと思えば人をばかにしたようにからかわれるし,
やっとちゃんとした名前でよんでくれたと思ったらお節介言われるし,もう最悪だわ。

…悔しかったから少し余計なことを言ってやった。その一言は思ったよりもスピカ・ホワイトに効いてるみたいであたしは,ひとり,ほくそ笑んだ。

…告白しようかな…。そしたらシリウスのこと吹っ切れる気がする。

そんなことをスピカと話して思った。




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