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クリスマスの午後。
私は早めにパーティの支度をした。

お母さんが家から送ってくれたドレスとアクセサリーをつけてシリウスが待っている談話室に向かった。



柘榴石のような深紅のローブに身を包んだシリウスはいつもより一段とハンサムだ。

「お,お待たせっ!」
「スピカ…綺麗だな。」

真顔そんなことを言われたので,少しどきっとした。…レギュラスも綺麗って言ってくれるかな?

「シリウスもドレスローブ似合ってるよ!すっごく素敵。」
「…ばーか,誉めてもなにも出ねぇぞ!」

シリウスは照れたように笑った。

「…他のみんなは?」
「ジェームズは帰った。エバンズと踊れないなら帰るって。
リーマスはさっき女の子を迎えに行ったよ。
ピーターは…。」

シリウスが話している途中だったけど,私は他ところに意識が行ってしまった。

階段の下に

深緑のドレスローブを着たレギュラスが

瑠璃色の綺麗なドレス女の子と歩いていた。

「ごめん,シリウス!急にトイレ行きたくなったから先に行ってて!」

本当はトイレなんて行きたくなかったけど,レギュラスと他の女の子が歩いてるのを見るのがなんか嫌で,シリウスと二人で歩いてるところをレギュに見られたくなくて,私は逃げてきてしまった。

…おう。と,シリウスの声が後ろから聞こえた気がした。たぶんシリウスは階段に独り残されて呆然としているだろう。

急に走ったせいで息が切れる。…私なんでこんなに動揺してるんだろう。レギュラスのことだから誰かにきっと誘われてるんだって思ってた。思ってたけど,実際に他の女の子と歩いてるところを見るとすごくショックだった。

…でも一人になるとだんだん動揺していた気持ちが落ち着いてきた。…トイレ行ってから戻ろうかな…。そしたらシリウスに嘘ついたことにならないよ,ね?




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