03



「みなさんお疲れ様です。無事湿原をぬけました。」

人がある程度集まったところでサトツさんが受験者たちに声をかける。見たところ人数は減ったけどまだ100人以上いるって感じかな

「よっ、アル」
「おーキルアじゃないのよ。まぁ残るとは思ってたけど。」
「あったりまえじゃん。こんなの余裕だっつーの」
「あ、キルア!アル!」
「お前たちも一次試験は大丈夫だったんだな」
「ゴンにクラピカかー。私たちは余裕だったよ」

キルア曰くゴンは途中から後ろの集団まで走ってクラピカとレオリオを助けに行ったらしい。香水の匂いを辿って戻ってきたらしいけどよくもまぁそんな芸当ができたものだ。私でも無理なんだけど。レオリオは怪我をしたらしく木陰で休んでいた。








「…周りが緊張してきたな」
「何が起きるかわからないからな」
「おろ、レオリオ大丈夫だった?」
「まだ正直痛いけどもうすぐ始まるしな。」
「…アルは随分余裕だな」
「まぁすごい音ではあるけど敵意は感じないし、そこまで構えなくてもいいかなって」

クラピカたちと話してたら時間になったらしく扉が重い音をあげて開いていく。建物にいたのは二人の人間。唸り声だと思っていたものは腹の虫が鳴っていたもののようだ。

「二次試験は料理よ!!あたし達二人がおいしいと言えば晴れて二次試験合格!!試験はあたし達が満腹になった時点で終了よ」

「くそォ料理なんて作ったことねーぜ」
「こんな試験があるとはな」
「いやぁなんでもアリって感じですごいねハンター試験」

「オレのメニューは豚の丸焼き!!あ、森林公園に生息する豚なら種類は自由だからね。」









「豚の丸焼きなら焼くだけだしある程度人数は絞れるから画期的ではあるね」
「だからこそ早く捕まえないといけないだろう。」
「まぁ君たちなら大丈夫だって…あ、あれじゃない?」

ほら、と指差した先にいたのは鼻の形が変形した豚。そういえばこっちが風下だったとか思っていると豚達が襲ってきた。うわぁなかなかデカいなこれ…

「おい!逃げないと潰されるぞ!!」
「大丈夫だって。見てろよアル様の力を!!」

向かってきたのは一体だけだから私だけでどうにでもなる。向かってきた鼻を受け止めるけど重くないこれ…焼けば水分飛ぶし多少は軽くなると信じたい。

「っらぁ!!」

受け止めた豚を地面に叩きつける。やばい音すごくうるさい土煙すごいこんなことやるんじゃなかった!!豚は叩きつけられた時に頭を強く打ったのかそのまま動かない。流石にここで火を起こしたら火事になりかねないなぁ

「んじゃ後は頑張ってねー」



「あれ、これ頭の骨砕けてる?」
「あ、ダメでした?ならもう一体取ってきますけど」
「いやいやこれくらい大丈夫だよー。これ焼き加減が絶妙で美味しいねぇ」

どうやら即死だったらしい。









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