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「ここにいる8名を新しくハンターとして認定いたします!」








「んで、3人はキルアを迎えに行くわけね。」
「もちろん!アルも来る?」
「そうだね、キルアのことは気になるし。」

でもその前に野暮用を済ませないと。後で合流する旨を伝えてその場を離れた。向かう先はイルミとヒソカだ。

「アルじゃん。」
「やっほーイルミ。久し振りだねぇ、2年ぶりだっけ?」
「何か用件あって来たんでしょ?」
「そうそうその腕。」

イルミの右腕を指すと折れてるよね◆、とヒソカか楽しそうに言った。怪我に対して楽しそうに言うのもなんだかなぁ…まぁヒソカはゴンをいたく気に入っているし当然っていったら当然かもしれない。

「治してあげようかと思ってね」
「あぁ、助かるよ。まだ仕事残ってるからどうしようかと思ってたんだよね」
「前に一緒に仕事したよしみってことで」

怪我の箇所に手を起いて精神を集中させる。ふわりと光が腕を包み、あっという間に腕の腫れはなくなった。

「うーんいつ見てもすごいね。アルの力。」
「ふはは。もっと誉めてもいいんだよ?」

イルミと軽口を叩きあっているとヒソカがニヤニヤした顔でこちらを見てきた。なんだその顔殴ってもいい?

「いや、君モテるでしょ?◇」
「いきなり何言ってんのこのピエロ殴っていいかな」
「このボクと戦いたいのかい?◆ボクとしては大歓迎だけど◇」
「冗談。ほんと君と話すと気力が削がれる。」

ヒソカのペースに巻き込まれるのはほんとにやめてほしい。というか前に組み手したときは壁
ら床やらが何ヵ所か破壊したのでこんなとこでドンパチやったら弁償金がいくらになるか分かったもんじゃない。

「ふぅん…ゴンもだけどこっちも面白くなりそうだね◆」

なんか私も楽しみの対象にされてるけど聞かなかったことにしたい。











イルミとヒソカと別れてゴンたちのところへ向かおうとしたときに気配を感じた。クラピカか。

「立ち聞きとは趣味が悪いね。」
「一旦全員解散してな。盗み聞きしたのは謝る。」

謝るのは良いことだ。と出てきたクラピカに言うと表情がいくらか柔らかくなった。だがまたすぐにその表情は消えてずんずんと近寄ってきた。

「…あのイルミ、とは知り合いなのか?」
「そうだねぇ…前に一緒に仕事してからはたまに連絡取ってるかな。彼もキルアと同じゾルディック家だから色々情報持ってたりもするし。」
「奴はヒソカともつるんでいた。あいつらは危険だ。」
「心配かい?でもそれには及ばないさ。」

心配してくれたならそれは嬉しい。そしてクラピカはまだこちら側ではないということ。だがクラピカは幻影旅団を潰すというのだからいずれはこちら側に来ることになる。私に止める権利は無いとはいえ、すこし寂しくもある。

「さ、ゴンとレオリオのとこに行こう。さっさとキルアを迎えに行かないと、でしょ?」
「…あぁ。」








ゴンとレオリオを見つけたきに一緒にいたハンゾーから名刺を貰ったりポックルとのホームコードを交換したりした後、ゴンの父親のジンという人物を電脳ページで調べてみると黒い背景とはてなの記号。クラピカ曰くこの人物名でこのページを出すには大統領クラスの権力が必要らしい。大統領クラスの権力を持つハンターってどうなのよ…よっぽどこの世界にとっての重要人物なのかと頭を抱えた。親父を探し当てるというゴンの目標は前途多難のようだ。

「ジンのことはさておき、次はククルーマウンテンだな」
「聞いたことねぇな…どこだそりゃ」
「…どうやらここから北西にあるパドキア共和国にあるみたいだな。飛行船で行けるようだがいつ出発する?」

今日がいい!と満場一致で話が決まりすぐさま飛行船に乗り込むことになった。ホテルから外に出ると少し強い風が吹いてぐいっと背伸びをする。目的のハンターにはなれたし顔見知りもできたことだし万々歳だ。ここから空港まではすぐのはず。待ってろキルア!








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