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「さて、お主を呼び出したのはまぁただの面接じゃ。正直に答えるんじゃぞ?」
「はいはいわーってますってば。小手先の嘘が協会の会長様に通るなんてこれっぽっちも思ってませんからー」
「随分と棒読みじゃな…まぁええわい」

ゴホン、とわざとらしい咳をしてこちらを見た。私が嫌いな何もかも見透かされそうな眼。だが目を逸らす気は起きなかった。

「まずひとつ。この試験を受けた理由は?」
「仕事の幅を広げるため。この先、ハンターライセンスは必要不可欠になるだろうし今までも必要だと思う場面はいくつかあったしね。」
「ふむ…ではふたつめ。受験者の中で今一番注目している人物と戦いたくない人物は?」
「んー…注目してるのは44番かな。個人的には404番もだけど実力者としては前者。戦いたくない人は特にいないかなー。例えどんな受験者と戦うことになっても負ける気はしないし。」
「ふむふむ。ご苦労じゃった、もうよいぞ。」

「あ、最後にひとつ。」
「手短にの。」


この人物と面と向き合ってから感じていた疑問。

「会長さん、あんた年はいくつなの?」
「さぁてのぉ。歳なんぞ関係なかろうて、不死鳥の仔よ。」
「…なぜそれを」
「知っているか、か?それは教えられんのぅ。知りたければ試験に合格でもするんじゃな。」

出てけと言わんばかりの顔でしっしっと手を払われた。これ以上は聞くのは無駄と分かり内心舌打ちをしながら部屋から出ていった。ひとつ、ハンター試験をパスする目的が増えてしまったのはすごく不本意なのだが。















「…まったく、あんな怪物を相手にするとはのぅ」

アルが去り、一人になった面接用の部屋でネテロはぼそりと呟いた。その額にはうっすらと汗が浮かんでおり彼女が出ていったドアをぼんやりと眺めていた。

不死鳥の仔。その血肉の稀少性からもう絶滅したとすら言われていた種族であり、あまりに人間から狙われたせいか警戒心が強く人間不信になっていたらしい。
不死鳥の仔だと言ったときの殺気はそれはもう凄まじいものだった。永く生きる術として彼女がどういう道を辿ってきたかをネテロは容易に想像できた。

「あんな成りをしといて、本質を見せとらんのはお主の方だろうにの」

ぼやいてばかりでも仕方がない、と次の試験のためにネテロは重い腰を上げた。











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