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「うがーやっと見つけたぞキルアァァァァ」
「うっわアル!どっから沸いたんだよてめぇ!!」
「うるさいなーこちとら3日間君を探し回ってたんだよー?」

突然後ろから肩をがっしり掴んできて誰かと思ったら声からしてアルらしい。気配なんて全然しなかったぞ…

「ほらよ、お前の分。」
「あれこれ私のターゲットじゃん」
「アルの言う通り3人組だった。俺の分もこの通りちゃんとあるぜ」
「良かったー。これであと4日は何もしなくていいね」
「お前楽天的だな…そのうち誰か俺らを狙うかもしれないんだぜ?」
「そんときはキルアがなんとかしてよー」
「はぁ?!なんで俺がなんとかやんないといけねーんだよ!!」

ぎゃーぎゃー騒いでると二人でいるのも悪くないなとか思ってる自分がいて驚いた。普通の兄弟や友達といたらこういう感じなのか…?どこか優しそうな目のアルを見てると気恥ずかしくなって視界から外してるとぽす、と頭を撫でられた。

「アル?」
「私にも弟分の子がいてさ。今どうしてるかなーって」
「心配なわけ?」
「心配っちゃ心配だけど死んではないだろうから多分大丈夫だろうなーと」
「んだそりゃ」
「キルアみたいな弟がいればなー…あー…でもやっぱり…うん。やっぱりいいのか。私は一人っ子でいい。」
「なに一人言言ってんだ?」
「これから何しようかなーって。魚釣りなんてどう?」
「おっ、やろうぜ!」









「…お、」
「どうした?」
「喜べキルア、四次試験終了らしい。」
「はーやっとか…さっさと戻ろうぜ」
「そうだね…一時間以内にスタート地点に戻らないと失格らしいから早く行くか。」
「しっかしお前の耳すげーよ。よく聞こえるな」
「ゴンの嗅覚よりはマシ。」

この4日間キルアと楽しくキャンプしてたけどどうやらそれも終わりらしい。その間にこの耳の良さは不覚にもキルアにバレてしまったので晩御飯用の獲物狩りは私の仕事になってしまっていた。それでもゴンの嗅覚はそれ以上なんじゃないの…?

「そういえば結局後ろにひっついてるのは試験官だったな」
「ねー。警戒して損したよ」
「ほんとそうだよなぁ。ま、なんともないって分かったし良かったじゃん」

キルアと合流してから気配の元を捕まえて尋問したらどうやら四次試験の試験官らしく今後の試験のために受験生の観察をしていたのだそう。観察って言葉は気に食わないけど危害は無いからまぁいいか…

スタート地点に着くと人が現れ始めた。気配が少ない…10もないかな

「おっしゃー先に行っとくぞキルアー!」
「あっ、ずりぃぞアル!!」

不意打ちで始まるかけっこでキルアの声が後ろから聞こえた。









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