09



「諸君タワー脱出おめでとう。残る試験は4次試験と最終試験のみだ。」

あと試験は二つ。周りもぴり、と緊張が走った。

「4次試験はゼビル島にて行われる。」

パチンと試験官が指をならすと小さな箱が運ばれてきた。クジをひくらしく順番はタワーを脱出した順らしく私が一番。
カードに書いてある198の番号…クジをひいている人たちを盗み見ると案外あっさりとその人は見つけられた。あの三兄弟の一番小さい奴だ。

「それぞれのカードに示された番号の受験生がそれぞれの獲物だ。自分の獲物となる受験生のナンバープレートは3点。自分自身のナンバープレートも3点。それ以外のナンバープレートは1点。最終試験に進むために必要な点数は6点分。それをゼビル島での滞在期間中に集めることが4次試験だ。」









船に乗る間に誰となくナンバープレートは外していた。情報を漏らさないためか誰も視線を合わせようとはしない。

「けっ、つまんないの。」
「皆必死なのだろう。」
「楽しまなきゃなんだってつまらないのにね。君はそうは思わなそうだけど。」

クラピカにそう言うと確かにな、と答えを返してきた。人生もゲームも、楽しみがなければ何も無いというのに。

「アルはプレートを外さないのか?」
「余計な戦闘は避けたいもの。少なくとも皆3点狙いだろうしプレートを付けておけば狙われるのは私がターゲットの奴に絞られるし。」
「なるほどな…だがアルが確実に狙われるぞ。」
「少なくともあそこにいる限りは誰かには狙われるんだよ?それなら狙われる数を減らすのが利口なんだよ。」
「それは、経験談か?」
「まぁ、ね。私も色々あるのさ。気になる?」
「…それは」
「まぁ、先に君が隠していることを話すんだね。ギブアンドテイクってやつだよ。」

私も知りたがりなんだよ、とクラピカが答えを出す前に先手を打ってその場を離れた。







「よ、キルア。」
「アルか。なーお前何番だった?あ、俺はアルじゃねーから。」
「ん、私もキルアの番号じゃなかった。198番だったよ。」
「1つ違いだな。俺199番。」
「あー…知ってるかも。」
「え、誰?」
「あの三兄弟の誰かだよ。番号も1つ違いだし多分合ってると思う。」

自分のターゲットのは見えたんだけどほかの二人がどっちかは見てないんだよなぁ…狙ってるのが分かればそれでいいし。

「そうだ!キルア、7日間ペア組まない?」
「はぁ?なんでだよ。」
「トリックタワーのときは3日間暇だったんだよ?!7日間も一人でターゲット狙うのに使うのはつまんないからキルアとターゲット狙った方が楽しそうだし。」
「ふーん。まぁあの3人いっつもかたまってたし一緒にいた方が楽だよな。」
「そゆことー。どう?」
「オッケー、7日間よろしく。」
「こっちこそ。」

こつん、と拳をつき合って二人で笑った。
どうやら暇しなさそうで4次試験は楽しめそうだなぁ。









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