アキラは1人で、リンとケイスケの牢を訪れた。

「アキラ…どうして?」

「おっさんは無事なのか?」

ケイスケとリンに話しかけられたが、アキラはそれを無視すると、溜息を一つ吐いた。

「2人に訊きたい事がある。ラインについて、知っている事を包み隠さずに話せ」

表情を動かさずに告げたアキラに、2人が過敏な反応をした。

「俺は…」

「ケイスケ、待った。アキラ?話したら、おっさんがどうなったかくらいは教えてくれるよね?」

話し始めたケイスケを遮り、リンが交渉してくるのに、アキラは頷いた。

「俺は、トシマで流れてたラインの情報以外は知らないよ。他に知ってるのは、今のラインはトシマの頃よりも精度が高い…くらいだ」

「俺も、リンと同じくらいしか知らない……トシマの頃のラインの効力なら知ってるけど、今のは知らないし、使いたいとも思わないから」

リンとケイスケの答えは、アキラが予測し、シキに伝えたモノと大差ないものだった。

「そうか……源泉は今のところ無事だが、この後、どうするかは総帥がお決めになる」

「アキラ!!トシマでなにがあったの?どうしてシキの傍にいるの?」

シキを総帥と呼んだアキラにリンは、突っかかるがアキラは気にする様子を見せずに踵を返して、立ち去った。

「アキラ。本当に変わっちゃったね」

悔しそうな表情を見せたリンにケイスケは、そっと話かけた。