「総帥。アキラ様の消息が掴めました。テログループの潜伏先ですが、只今、絞込み中です」

アキラ捜索隊の隊長の報告を聞いていたシキ。

「消息が解かったのに、潜伏先は不明か?」

隊長の報告に、シキが質問すると。

「はっ。そのテログループですが、幾つかのグループが集合しており、それらを統括し、指揮を執る者がいるようです。その為に、潜伏先がバラバラで」

隊長は知りうる限りでシキの質問に答える。

「成る程な。大まかな場所は判っているのだろう?」

イスに腰掛け、頬杖を付いていたシキの纏う雰囲気が変わる。

「はい。地区単位ですが」

シキの雰囲気が変わった事で、後退りしそうになるのを、根性で止まった隊長の耳に信じられない言葉が聞こえた。

「それだけ判れば十分だ。俺が出る」

アキラの探索にシキ自らが出る、と言うのだ。

だが、隊長はシキに抗議することなく、短く返事をすると、準備のために退室した。