一週間経って。

アキラは3人に話しかけた。

「リン。ケイスケ。おっさん。俺、そろそろ軍に帰りたいんだけど」

そのアキラに答えたのは源泉。

「アキラ。それは出来ない。どうしても、帰ると言うなら、おいちゃんの質問に答えてくれないか?」

「俺が此処に連れて来られて、一週間経つ。シキが何時までも大人しくしてるとは思えない」

源泉の答えにアキラはキッパリと言った。

「アキラ…俺たちと一緒にいようよ」

「ケイスケの言う通りだよ!俺たちと一緒に居た方がいいよ!!」

ケイスケの提案にリンが勢い良く賛同する。

「一緒には居られない。おっさんの質問にも答えられない」

アキラの決意は変わらず。

「アキラ。もう少しだけ、此処に居てくれ」

「俺を軍に帰してくれるなら」

「ああ。約束しよう」

「「おっさん!?」」

アキラが源泉の要求に条件を付けると、源泉はあっさりとソレを認め、リンとケイスケが叫ぶ。

その叫びを聞きながら、アキラは自分に宛がわれている部屋に戻った。

アキラが部屋に引き篭もってから。

「源泉さん。お話が」

「おう。なんだ?」

源泉に面会の男が尋ねてきた。

「私は、軍の研究室に居た者なんだが。匿ってくれるなら…非ニコルの情報を話す」

「本当か?」

「ああ。私だって命は惜しい」

元研究員だと名乗る男。

「そうだな。城の見取り図も作りたいし。匿ってやるから、協力してもらう」

「判っている。まずは、非ニコルについてだが…」

「待て。リン。ケイスケと席を外してくれ」

「オッケイ」

男が話し始めるのを遮って、源泉はリンに指示を出して、リンはケイスケを引き摺って出て行った。

「で、非ニコルは誰だ?」

リンが出て行くのを確認して、源泉は本題に入る。

「それだが……アキラ様だ」

「………嘘、だろ?」

元研究員の男の話に、源泉は一瞬だけ頭の中が真っ白になる。

「そのこと…本人は知っているのか?」

なんとか持ち直して、源泉は男に確認する。

「ああ。知っている」

男の返事を聞いて、源泉は煙草に火を点ける。

「そうか……とりあえず、今日のところはゆっくり休んでくれ」

源泉は外に控えていた仲間を呼ぶと、男を部屋に案内するようにと指示を出してから、アキラの居る部屋の扉を見つめた。